映画『よだかの片想い』に簡単な推薦のコメントを寄せました。
彩の国さいたま芸術劇場『ヘンリー八世』再演
彩の国さいたま芸術劇場で『ヘンリー八世』の再演を見てきた。2020年に初演を見ているのだが、あまり上演されない演目だし、阿部寛のヘンリー八世は当たり役だと思うし、また去年の5月以来彩の国シェイクスピアがなかったということもあり、また行ってきた。行く途中で落雷のため埼京線が停電して止まってしまったのだが、開演が15分遅れたのでギリギリ間に合った。
全体的には初演の時とあまり変わらない印象である。とくに終盤はウルジー(吉田鋼太郎)の運がどんどん下り坂になっていくのになんだか笑える箇所が多く、メリハリがあって良かった。あと、エリザベス2世が亡くなったばかりの時期に上演する芝居としてはおそらくふさわしいんだろうな…という気がした。
「フォークホラーとしての『マクベス』」講座が無事終了しました
だいぶカットしてすっきりさせている~『ハリー・ポッターと呪いの子』
『ハリー・ポッターと呪いの子』を赤坂ACTシアターで見てきた。英語版は見たことがあり、台本も授業で読んだことがある。イギリスで見た時は二部構成で全部で5時間以上ある大作だったのだが、さすがにそれではキツいということなのか、3時間半くらいで1度休憩があるだけである(アメリカとかでもこれで上演しているようだ)。
相変わらず特殊効果が多くて非常に見栄えのする舞台である。ハリー・ポッター(藤原竜也)が宙に浮くドラコ(松田慎也)とのケンカの場面やら、どっかんどっかん杖から光が出る決闘やら、けっこうなスペクタクルである。ただ、ちょっとイギリスで見た時に比べるとディメンターの可動範囲が狭いような気はした。
台本がかなりカットされており、すっきりはしているが終盤の台詞はちょっとなくしすぎではないかと思う。かわいそうなセドリック・ディゴリー関連の台詞とかはもうちょっと残しておいてもいいのではと思った。あと、短くなっているせいもあり、スコーピウス(斉藤莉生)が終盤は出ずっぱりでほとんど主役みたいに見える(これはもともとの版でもけっこうそういう感じではあったが)。
このへんを除くとあまりイギリスで見た時と印象は変わらないのだが、個人的には長いバージョンのほうが丁寧なのでそちらのほうが面白かったし、スケール感はあったように思う。あと、最初に見た時には気付かなかったのだが、これってMCUがマルチバースを始める前のマルチバースっぽい作品だったんだな…と思う。『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』を通過した後に見ると、アルバス(藤田悠)のやろうとしていることがちょっと子どもっぽすぎてかなりハラハラする…というか「絶対ダメでしょそれ…」と思ってしまった。
『週刊文春』9月22日号「東西大学名物講義」に私の授業のことが載りました
彩の国シェイクスピア・シリーズ『ジョン王』勉強会に出ます
彩の国シェイクスピア・シリーズ『ジョン王』勉強会に出ます。全4回でどれも面白そうですが、私は第3回 12/4(日)14:00~15:45に「なぜ私たちは『ジョン王』を見たことないのだろう?〜受容、人気、不人気」という受容についての話をします。私はこの作品に出てくるフィリップがお気に入りのキャラなので、公演を楽しみにしています。
ブルゴーニュ地方のワイン作りに関するドキュメンタリー~『ソウル・オブ・ワイン』(試写)
『ソウル・オブ・ワイン』を試写で見た。ブルゴーニュ地方のワイン生産に関するドキュメンタリーである。
私はお酒を飲まないのでワインについては全く知らないのだが、ブルゴーニュ地方のロマネ・コンティをはじめとする伝統的な高級ワインがいかに手をかけて作られているかを見せるドキュメンタリーである。ソムリエや生産者のインタビューの他、生産工程の映像や、樽工場の映像なども入っている。生産者の話によると、畑によって収穫のタイミングなどが全く違い、繊細な気配りが必要だということだ。ロマネ・コンティみたいな高級ワインの畑になると機械化の度合いが少なく、かなりの部分が細かい気配りが必要な人力での作業になってくる。それくらい手間をかけないとよいものが作れないということでもあり、また手間をかけても採算がとれるくらいの高級品だということもあるのだろうと思う。