セクシュアリティ
リン・ハント編『ポルノグラフィの発明―猥褻と近代の起源、一五〇〇年から一八〇〇年へ』(Lynn Hunt, ed., The Invention of Pornography: Obscenity and the Origins of Modernity, 1500-1800, Zone Books, 1996)を読んだ。初期近代のポルノグラフィについ…
なんとこの年になって初めてアンドレア・ドウォーキンの『インターコース』をちゃんと最初から最後まで読んだ。 とりあえず、もっと早く読んでおけばよかったと思った。前半の大部分は小説や戯曲などを対象とした女性と性の表象史分析で、ひとつひとつの文学…
森山至貴『「ゲイコミュニティ」の社会学』(勁草書房、2012)を読んだ。実を言うと昨日に引き続き、今日の本の著者も私の友人である。 まず、この本について一番すばらしいと思ったところは問題意識である。この本はゲイやバイセクシュアルの男性の「集合性と…
コックピット座でサイエンスバーレスクというショーを見てきた。バーレスクと言っているがストリップティーズショーはなく、もうちょっとオーソドックスなタイプのバーレスクで、パロディやきわどいスタンダップコメディ、セクシーな歌なんかを使って科学の…
珍しい王政復古喜劇再演の映像を発見したので、本日はそちらのレビュー。 ↑このヘレン・ミレンが出演しているBBCで放送された芝居のDVDコレクション、シェイクスピアやショーなどいろんな劇作家の作品を収録しているのだが、その中の一本としてウィリアム・…
ブリクストンクラブハウスでボーイ・ジョージが製作したミュージカル『Taboo』の再演を見てきた。 クラブの内部。私の席からとった写真なのだが、目の前の花道みたいなところから時々ものすごい勢いで役者が入ってくるので近すぎて若干危険。隣の席の人が手…
id:nikubetaさんに頼まれてMarion A. Wells, '"Full of Rapture": Maternal Vocality and Melancholy in Webster's Duchess of Malfi', in Manfred Horstmanshoff, Helen King, Claus ZittelBlood, ed., Sweat and Tears: The Changing Concepts of Physiolo…
Kristina Straub, Sexual Suspects: Eighteenth-Century Players and Sexual Ideology (Princeton University Press, 1991)を読んだ。 王政復古〜18世紀あたりの演劇と性の関わりについての基本書。女優を権力者の性的ペットと見なす傾向、ホモフォビア、デ…
ヘテロの男女がゲイカップルと呼ばれていたあの頃〜John Harrington Smith, The Gay Couple in Restoration Comedy(『王政復古喜劇のゲイカップル』)
ナショナルカミングアウトデーでありかつ国際女子の日であるらしい本日はちょっとセクシュアリティについて語る言葉の歴史的変遷について考えてみたかったりしないわけでもないので、John Harrington Smith, The Gay Couple in Restoration Comedy (Harvard …
ハムステッド座で『ユダの接吻』(The Judas Kiss)を見てきた。ルパート・エヴェレットがオスカー・ワイルドの役を演じる話題作なので、ロンドン公演のチケットは既に売り切れたらしい。早めに予約しといて良かった… 『ユダの接吻』はデイヴィッド・ヘアの作…
先週末くらいから大英図書館で18世紀半ばのイギリスで発行されたチラシの束を見ている。私のお目当てはもちろん演劇チラシなのだが、実はこの束のかなりの部分がエロチラシというかどこに行けば娼婦と遊べるかというガイドである。 例えば1770年頃に出た"LIS…