ミュージカル

悪くはないが、要所要所でイラっとする〜『ラ・ラ・ランド』(ネタバレあり)

デイミアン・チャゼル『ラ・ラ・ランド』を見てきた。見終わって出てきたらアカデミー賞をとってたという感じのタイミングだった。ロサンゼルスでジャズクラブを開くことを夢見るピアニスト、セブ(ライアン・ゴズリング)と女優を夢見るミア(エマ・ストーン)…

初めてのテニミュ〜「ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 青学vs六角 大千秋楽ライブビューイング」

「ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 青学vs六角 大千秋楽ライブビューイング」を見てきた。テニミュは初めてだったのだが、専門の研究者ほか数名とプチ研究会形式で行ってきた。事前に近くのカラオケボックスでミニレクチャー、終演後に食事をしな…

ティム・バートン映画の舞台版〜『ビッグ・フィッシュ』

ミュージカル『ビッグ・フィッシュ』を見てきた。白井晃演出で、ティム・バートンが2003年に同名映画と原作小説をミュージカル化したものである。もとになった映画はティム・バートンの監督作の中でも私が一番好きな作品で、父と子の和解に物語の力というテ…

ちょっと歌が…赤坂ACT『ロミオとジュリエット』

赤坂ACTシアターでミュージカル版『ロミオとジュリエット』を見てきた。プロダクションじたいは既に見たことがあるもので、話全体の印象としてはちょっとメロドラマ的にすぎるということであまり変わらなかったのだが、全体的に若手の歌が前回見た時よりもか…

冴えない芸術家志望たちの芝居〜松尾スズキ『キャバレー』

松尾スズキ演出『キャバレー』を見てきた。言わずと知れた有名ミュージカルの再演で、既に一度ロンドンで見たことがある(最後凄いショッキング演出があった)。サリーが長澤まさみ、クリフが小池徹平、MCが石丸幹二で、ステージは二階建てである。二階にはバ…

今まで見た『レント』の中で一番良かった〜ブロードウェイ版『レント』

ブロードウェイ来日版の『レント』(ウェブサイトは音が出るのでリンクしない)を見た。 どういうわけだかここ1年半くらいで3回も『レント』を見ているのだが、このプロダクションが一番良かった。日本語版は基本日本語なのに対応できなくなると英語になるみた…

今になったからわかることもある〜ミュージカル『プリシラ』

宮本亜門演出のミュージカル版『プリシラ』を見てきた。3人のドラァグクィーン(そのうちの1人であるバーナデットは性別適合手術を受けて女性)がシドニーからアリススプリングスまで、おんぼろバスのプリシラ号に乗ってオーストラリアの砂漠を突っ切る旅に出…

楽しいミュージカル〜来日版『キンキーブーツ』

来日版『キンキーブーツ』を見てきた。話は基本的に日本語版とおなじだが、もちろん英語である。 楽しいところもあまりピンとこなかったところも日本語版とおなじで、やはりチャーリーがローラに電話をかけて「君こそ立派な男性だ」みたいに謝るところはどう…

グラスゴーのキングズ・シアターで『ロッキー・ホラー・ショー』上演を初体験

グラスゴーのキングズ・シアターで『ロッキー・ホラー・ショー』を見てきた。映画は見たことあるが、舞台を見るのは初めてである。 お客さんはかなりの人が登場人物のコスプレをしている。コスプレしていてお客さんが熱いじたいはいいのだが、帽子を脱がない…

バーミンガム(3)オールド・レプ・シアター『レント』

バーミンガムではオールド・レプ・シアターで『レント』を見てきた。マイケル・ネリ演出で、地元の役者をメインに据えたものらしい。セットは金属の骨組みだけで、左手に赤いソファ、上にたまにプロジェクションでいろいろなものを映したりする。電話のメッ…

ショーガールやドラァグクィーンがインフレする問題〜『キンキーブーツ』(日本版)

『キンキーブーツ』の日本版を見てきた。おなじみの映画『キンキーブーツ』のミュージカル化で、シンディ・ローパーが音楽を担当している。 舞台はノーザンプトンシャの小さな靴工場。ロンドンで婚約者と暮らす予定だったチャーリー(小池徹平)は父の急死のせ…

この演出では今上演する意味が無い〜『マイ・フェア・レディ』

東京芸術劇場でG2演出の『マイ・フェア・レディ』を見てきた。バーナード・ショーの『ピグマリオン』をアラン・ジェイ・ラーナーがミュージカル化したいわずと知れた有名作である。 ヒロインであるロンドン下町の花売り娘、イライザが言語学の研究者ヒギンズ…

ボストン(10)型にはまらない信仰〜『サウンド・オブ・ミュージック』

ボストンでも観劇しないとと思い、ボストンオペラハウスで『サウンド・オブ・ミュージック』を鑑賞した。全国ツアーで、演出はジャック・オブライエン。 とても立派なオペラハウスである。 セットがけっこう何種類もあり、だいたいは修道院とお屋敷なのだが…

アッシュランド(8)オレゴン・キャバレー・シアター『リング・オブ・ファイア』

オレゴン・キャバレー・シアターに行ってきた。 こんな建物。元は教会で、30年程前にキャバレー・シアターになったそうだ。 中がなんかすごい。アメリカ映画に出てくる社交場みたい。 シャンデリアは1920年代にできたペンシルヴェニアの映画館からサルベージ…

アッシュランド(4)オレゴン・シェイクスピア・フェスティバル『ザ・ヨーメン・オブ・ザ・ガード』

オレゴン・シェイクスピア・フェスティバル、二日目はまず舞台美術についてアーティストのレクチャーを聞いた。「木を木っぽく見せるだけで結構たいへん」とか、面白い話がたくさん聞けた。子どもたちをアシスタントにして製作の実演もあった。 その後マチネ…

オチがちょっと弱い〜宝塚宙組『Shakespeare 〜空に満つるは、尽きせぬ言の葉〜』

宝塚宙組の公演『Shakespeare 〜空に満つるは、尽きせぬ言の葉〜』を見た。一時間半強の短い舞台で、シェイクスピアの没後400年記念演目である。朝夏まなとがシェイクスピアを演じ、ヒロインにあたるのは妻のアン・ハサウェイで、実咲凜音が演じている。 ま…

モラハラ男と不安な女〜『スコット&ゼルダ』

銀河劇場で『スコット&ゼルダ』を見てきた。フランク・ワイルドホーン作曲のミュージカルで、スコット・フィッツジェラルドとゼルダ・セイヤーの人生を描いた作品である。もとのアメリカ版とはかなり演出を変えているそうだ。 話は精神病院に入院しているゼ…

思ったより暗い話〜『ラ・マンチャの男』(ネタバレあり)

帝劇で『ラ・マンチャの男』を見てきた。松本幸四郎主演で長くやっている演目だが、見るのははじめて。 枠物語になっており、異端審問を待つため牢獄に入れられたセルバンテスがドン・キホーテの物語を監獄の他の人々に芝居で見せる、という構成になっている…

内容はいいが、歌詞がちょっと…『RENT』(ネタバレあり)

シアタークリエで『RENT』を見た。この演目は一度も見たことが無く、できれば舞台を先に見たいと思っていたので映画も未見である。 『ラ・ボエーム』を原作に、舞台を1990年頃のニューヨークに移し、登場人物もセクシャルマイノリティや民族マイノリティ(こ…

猛烈ステージママとバーレスクの女王の葛藤を描くミュージカル『ジプシー』

サヴォイ座で有名なミュージカル『ジプシー』の再演を見てきた。ジューリー・スタイン作曲、スティーヴン・ソンドハイム作詞、アーサー・ローレンツ台本で1959年に初演された作品で、バーレスクの伝説のスターである実在の人物、ジプシー・ローズ・リーの人…

愉しいミュージカル版〜『シスター・アクト〜天使にラブ・ソングを』

『シスター・アクト〜天使にラブ・ソングを』を見てきた。原作はウーピー・ゴールドバーグ主演の大ヒット映画『天使にラブ・ソングを… [DVD]』である。 あらすじは結構似ており、ギャングのボーイフレンドが殺人を犯すところを目撃してしまったクラブ歌手の…

とてもよくできたミュージカル〜『レ・ミゼラブル』

帝劇で『レ・ミゼラブル』を見た。舞台で見るのはもちろん初めてだったのだが、大変よくできた舞台だと思った。 とりあえず、あれだけ長い話をカットしまくってちゃんと話がつながるようにしているのがまず感心する。さらに舞台的な醍醐味に満ちており、後半…

所詮ディズニー〜『イントゥ・ザ・ウッズ』

帰りの飛行機で『イントゥ・ザ・ウッズ』を見た。 原作は87年に初演されたミュージカルだそうで、『赤ずきん』『シンデレラ』『ラプンツェル』『ジャックと豆の木』などのおとぎ話を現代風に再構成したものである。子どもが生まれないパン屋の夫婦が魔女の呪…

普通は見られない角度から撮る〜『ビリー・エリオット ミュージカルライブ−リトル・ダンサー』

『ビリー・エリオット ミュージカルライブ−リトル・ダンサー』を見てきた。 これ、映画はもちろん舞台でも一度見たことがあるのだが、むしろ舞台版は映像で見たほうが面白いかもしれない…というのは、この映像版はダンサーを上とか横とか絶対に観客席から見…

美女ぶりを堪能〜『ラ・カージュ・オ・フォール〜籠の中の道化たち』

日生劇場で『ラ・カージュ・オ・フォール〜籠の中の道化たち』を見てきた。言わずと知れた有名ミュージカルの再演で、日本版も既に30年間やっているそうだ。主演のザザ/アルバンを演じる市村正親は20年以上この役をやっているらしい。 お話は有名なのだが一…

良くも悪くも、政治の季節〜『ヴェローナの二紳士』

日生劇場で宮本亜門演出のミュージカル版『ヴェローナの二紳士』を見てきた。これ、原作はかなり台本に問題があってひどい話なので、「楽しくて最高にハッピー」というキャッチコピーを見て非常に不安になっていたのだが、ちょっと不安どころじゃなかった。…

これがエンダ・ウォルシュ?!舞台版『Once ダブリンの街角で』

六本木EXシアターで『Once ダブリンの街角で』のミュージカル版を見てきた。言わずと知れた2007年の同名の人気映画の舞台化である。 https://www.youtube.com/watch?v=4duMaz-V3o4 映画は地味だが非常に良い作品だった覚えがあるので少し心配していたのだが…

1920年代のニューヨークを舞台にした『オセロー』の翻案もの〜『The Lost Glory―美しき幻影―』&『ラテン・グルーヴ パッショネイト宝塚!』(ネタバレあり)

宝塚で『The Lost Glory―美しき幻影―』&『ラテン・グルーヴ パッショネイト宝塚!』を見てきた。『オセロー』の翻案ものだというので行ってみたのだが、思ったよりわかりやすく『オセロー』だった。 舞台は1920年代末のニューヨーク。主人公は移民の息子から…

預言者は比喩的にのみ語る、そしてお尻丸出し将軍は実在した〜『サウスパーク』のチームが作ったミュージカル『モルモンの書』(The Book of Mormon)(注意:当たり前のように下品な表現があります)

ロンドン最後の観劇として『モルモンの書』(The Book of Mormon)を見てきた。『サウスパーク』のクリエイターであるマット&トレイが作ったミュージカルで、絶対に日本で上演されることはないだろうと思ったので行ってきた。 主人公はアメリカ人の若きモルモ…

ウエンツバーティが実に当たり役〜『天才執事ジーヴズ』

日生劇場で『天才執事ジーヴズ』を見てきた。P・G・ウッドハウスの『ジーヴズ』シリーズに登場する、英国人なら誰でも知ってる万能の従者(valet)ジーヴズと、雇い主であるおつむが弱い上流階級の独身青年バーティ・ウスターを主人公にしたミュージカルで、台…