危険な関係

  



 ちょっと今、「男性がある女性の心を得ることができるか賭けをするが、遊びのつもりだったのに本気になってしまう」というプロット(「シュジェート」って言うんだっけ…?小説とか民話が専門の人、間違ってたら教えて下さい)について調べている。で、久しぶりにラクロの『危険な関係』(ヴァルモンが賭けの対象であるツールヴェル法院長夫人を愛するようになるが、虚栄心のために結局別れてしまう)と、そのハイスクール版映画化である『クルーエル・インテンションズ』を見比べた…のだが、どうも私は『危険な関係』の内容をほとんど忘れてたらしい。大学に入った頃くらいに読んだような覚えがあるのだが、ガキにはよくわからなかったようだ。とはいえ、25になった今読んでも大変不道徳な小説だと思う(←これは褒めてるつもり)。でもジャン・ジュネのほうがもっと不道徳だ(←もっと褒めてるつもり)。


 『クルーエル・インテンションズ』は高校生の時にテレビで見たのだが、やっぱりこれってコメディなんだよな…?高校生の時、いかにもアメリカ女風なサラ・ミシェル・ゲラーがものすごく大げさにライアン・フィリップを誘惑する場面を見て笑ってしまった覚えがあるのだが(←嫌な高校生である)、今見ても普通に笑えたので、きっとこれはコメディなんだろうと思う(ただし、私は『白いドレスの女』のラブシーンにも大爆笑したので、あまり自信ない)。


 で、実は今回この映画を見直していて、私はてっきり監督は女かゲイだろうと思ったのだが(なんかライアン・フィリップとかジョシュア・ジャクソンの撮り方がおかしいんだもん)、監督はたぶん女でもゲイでもない(性的指向については知らないがとにかく女ではないと思われる)ロジャー・カンブルで、ファレリー兄弟の舎弟だそうな…だからライアン・フィリップの撮り方がおかしいのか。


 で、ストレート男性の監督なのに男優の撮り方がおかしいと言えばバズ・ラーマンなのだが(ほんとかな…でも昨日学科の人と話していて「バズ・ラーマンの撮り方は絶対におかしい」ということで意見が一致したんだけど)、『クルーエル・インテンションズ』は意外にバズ・ラーマンの『ロミオ&ジュリエット』の影響を受けていることを発見した。主人公のカップルをプールに落とすラヴシーンがそっくりだし、超思わせぶりにカーディガンズの'Lovefool'を使うとこも似ている。『ロミオ&ジュリエット』がアメリカのティーン映画に与えた影響って結構大きかったのかも。


カーディガンズの'Lovefool'ロミオとジュリエットヴァージョン


 ちなみに『クルーエル・インテンションズ』では、『Lの世界』で妻をレズビアンの美人に取られちゃう男を演じているエリック・メビウスが同性愛者ってことで脅迫されるボンクラなジョックの役でなんか笑えた(その交際相手の役が『ドーソンズ・クリーク』のジョシュア・ジャクソン、なんとブロンドで登場)。あと、セルマ・ブレアがすごい若くてぽっちゃりしていてびっくり…