女の子が死にたくなる前に見ておくべきサバイバルのためのガールズ洋画100選

 最近『風と共に去りぬ』の話をした上、今日せっかく『恋のからさわぎ』について研究発表をやるもんで、記念ということでちょっと女の子が死にたくなる前に聴いておくべきサバイバルのための洋楽ガールズアンセム100選の続編として、「女の子が死にたくなる前に見ておくべきサバイバルのためのガールズ洋画100選」をやろうかと思う。どーせそこらへんに散らばってる数多の映画ベスト100とかはロックベスト100と同じで女性からするとつまんなかったりするものが多いので、たまには女性が元気出るリストを作りたい。


 選考基準は以下。

1. 女の子が打ちのめされた時に自殺しないよう、自分の心を強くするために見ておくべき映画である。

2. 外国映画である(これは私の知識の限界のため)。


 順位は結構いい加減なのだが、基本的に上から下へ行くほど緊急度が低くなる。上のほうはもうどんなボロボロ女でも一瞬にして救ってくれるくらいのチック・フリック・パワーを持っている映画だが(chick flick=「女の子映画」ね)、下に行くと好みが分かれるものが多いので、始めっから下のほうの映画を見るとかえって落ち込むこともある。


 ちなみにコンセプトとしては、リストにあがっている映画のうち1本も見ていなかった時はボーイフレンドとの虐待的関係にハマっているリスカ女だった人が、30本見るとボーイフレンドとさっぱり別れることができ、50本の時点で貯金が200万円に達し、70本の時点で虐待的なボーイフレンドにコップの水をぶっかけてスティレットヒールで踏みつぶせるくらい元気になり、100本の時点では念じただけで周りにいるセクハラ野郎が全員吹っ飛ぶレベルになる感じである(何だそれは…)。前回同様、「なぜこれが入ってない!」「こいつはつまらん!」などのイチャモン募集中です。



 では、リスト開始。

1『テルマ&ルイーズ
 初っ端からひどい言い方だが、やっぱりチック・フリックでは女性に暴力をふるうような男はぶっ殺されるのがふさわしいのである(現実世界とは違うんだから、映画では絶対にそうであるべきだ)。


2『グロリア』(ジョン・カサヴェテス&ジーナ・ローランズ版)
 ギャングを敵に回し、たった一人でヒスパニック系の子供を連れてニューヨークで戦うジーナ・ローランズ


3『風と共に去りぬ
 この映画のラストシーンの陰のメッセージは、「結局男いなくても結構なんとかなる」ということである。


4『チャーリーズ・エンジェル』&『チャーリーズ・エンジェル フル・スロットル』
 エンジェルたちが防弾チョッキは着てるのに銃器は携帯してないのには深い意味がある。
 これを見て単純に面白がっているストレート男性に心から同情します。第一作にも第二作にも、エンジェルたちが男性にほんとは超危険な任務に従事している探偵なのを言えなくて…という場面がありますが、たいていの女性は男性に見せない面が一つや二つはあるもんです。


5『キューティ・ブロンド』&『キューティ・ブロンド2 ハッピーMAX』
 黒いスーツを着て男に擬態して男社会で成功するよりも、ピンク着て男社会に出て行ってピンクのまんま成功するほうがずっと大変だしすごいんだ、という素晴らしいガールパワー映画。


6『女だけの都』
 びびった男性が全員逃げ出してしまい、女性だけになったフランドルの街に入ってきたスペインの占領軍。勇気を出してスペイン軍を迎える、市長夫人をはじめとした女性陣。ところがスペイン軍はエリート軍隊で意外といい男ぞろいだったため、ダンナがいなくなった女性陣はこれ幸いと束の間のマディソン郡の橋を大満喫。


7『バウンド』
 レズビアンカップルが主役のクライムサスペンス。「あんた、何にもわかってないのね…」と言って何食わぬ顔でダンナを射殺するジェニファー・ティリー。


8『9時から5時まで』
 職場でいじめられている女性3人がセクハラ上司を自宅に監禁、オフィス改革を実施。バカ上司がいなくなったせいで劇的に業績アップ!


9『ゴーストワールド
 元気出るかどうかは別として、これは絶対十代のうちに見ておくべき。


10『追憶』
 信念を貫けないならたとえ相手がロバート・レッドフォードでも別れるべきだ!


11『ブリジット・ジョーンズの日記』&『ブリジット・ジョーンズの日記2』
 太ってて何が悪い!


12『エリン・ブロコビッチ
 『キューティ・ブロンド』のワーキングクラス版。一見、下品スレスレの無教養な元ミスコン女ジュリア・ロバーツが、初めて自分にあう仕事を見つけて大活躍、公害に苦しんでいる人たちを救済するため訴訟に奔走するという筋。ただし、『キューティ・ブロンド』みたいに派手で一見バカそうな女と高学歴で地味な女が最後は手を結ぶ…という筋になっていないところがかなり減点ポイント。


13『赤ちゃん教育
 映画史上最強のボンクラに違いないケーリー・グラントが、豹を飼っているキャサリン・ヘップバーンに服を盗まれて恋に落ちる話。


14『エイリアン』&『エイリアン2』&『エイリアン4
 いくら目をこらしてみても2と4の間に3がないのは別として、『エイリアン4』で、実はロボットであるウィノナ・ライダーが腕にジャックを刺すと中から血じゃなくて糸が出てくる場面は、サイボーグフェミニスト必見の名場面。
 

15『フライド・グリーン・トマト
 この映画では、女性に暴力をふるう男は殺されるどころか食べられます。


16『アフリカの女王
 ハンフリー・ボガートは意外にかわいかった!


17『マンマ・ミーア!
 メリル・ストリープのおばさんガールパワーが炸裂。コリン・ファースのディスコファッションだけでも見る価値あり。


18『ボーイズ・オン・ザ・サイド』
 エイズ、シングルマザー、レズビアンの3人の女性が旅に出る。マシュー・マコノヒーがものすごいイケメンボンクラバカとして登場、ドリュー・バリモアと恋に落ちる。


19『シカゴ』
 男殺しミュージカル。胸がないのにマリリン・モンローになったゼルウィガーは全ての女性に勇気を与えました(というのはウソです)。


20『ボルベール 帰郷』
 ペネロペ・クルスが夫を埋める!


21『セット・イット・オフ』
 どうしようもなくなって銀行強盗をすることに決めた4人の黒人女性を見舞う悲劇。クイーン・ラティファジェイダ・ピンケット・スミスもこの頃はあまりスタースターしてなくて初々しい。


22『トゥー・ウィークス・ノーティス
 ものすごいダメ男ヒュー・グラントと、やり手の弁護士サンドラ・ブロックスクリューボールコメディ。


23『オルランド
 男性から突然女性になったオルランドの数奇な人生。ヴァージニア・ウルフ原作。


24『デスク・セット』(おー!ウーマンリブ)
 スーパー司書キャサリン・ヘップバーンとコンピュータの専門家スペンサー・トレイシーが繰り広げる、手に汗握る調べものバトル!


25『めぐりあう時間たち
 ヴァージニア・ウルフとその小説に影響を受けた女性2人の織りなす時間を超えたドラマ。


26『愛の勝利』(Dark Victory)
 女ってつらい!とひしひしと感じる作品。いい女は死ぬところを男に見せない。そしてたぶん女の死に目にあえなかった男は一生後悔する。


27『グリーン・デスティニー
 ミシェール・ヨーとチャン・ツィイーのバトルだけで元を取った気になれるアクションもの。


28『女はみんな生きている』
 男の観客には嫌われ、女にしか楽しくない映画を目指した作品。出てくる男は全員バカか悪者で、ダメ夫に悩まされている冴えない主婦、人身売買の被害にあったマグレブ系の娼婦、息子に嫌われているおばあちゃんが組んで男たちと戦う!


29『レオン』
 ナタリー・ポートマンが殺し屋になろうと頑張る映画。


30『アダム氏とマダム』
 スペンサー・トレイシーの涙に負けない女性はいないと思う。


31『オール・アバウト・マイ・マザー』
 女を演じるとは、どういうことか?


32『ノーマ・レイ
 不満を言っているだけでは報われない。こうと決めたら立ち上がらないと何も解決しない。


33『スタンドアップ
 最初にセクハラを訴えた女性はこんなに勇気のある人だった。セクハラ描写がかなりえぐいので、鑑賞注意。


34『ガールズ・ルール 100%おんなのこ主義!』
 ガールパワー版『アニマル・ハウス』。『アニマル・ハウス』の女性軽視なところが気に入らなかった人はこれを見て溜飲を下げましょう。


35『アントニア』(1995年、マルレーン・ゴリス監督)
 とてもおおらかな母系家族を描いた民話のような作品。


36『クルーレス』
 ジェーン・オースティン『エマ』のハイスクール版リメイク。


37『プリティ・リーグ
 アメリカのプロ野球に賭けた女性たちを描いた映画。マドンナやジーナ・デイヴィスが出演しており、話もひとひねりあっていわゆるスポ根ものにはなっていないところがチック・フリック的。


38『プッシーキャッツ』
 タイトルからしてホール+ロックビッチ+スリッツみたいなものすごいライオットガールバンドがそこらじゅうで暴れて公演禁止になる話かと思ったら、違いました…原作は『ドラドラ子猫とチャカチャカ娘』というなめた邦題のハンナバーベラのアニメだそうで、映画版は愉しいガールズロックバンドの話。


39『月の瞳』
 保守的な大学に勤めており、結婚を控えてマリッジブルー気味の神話学者が、サーカスのダンサーでアート志向のぶっ飛んだ女性と出会って突然恋に落ちる。


40『バンディッツ』(1998、カーチャ・フォン・ガルニエ監督)
 ドイツのガールズロックバンド映画。女囚4人がバンドを組んで警察から逃げ回る。


41『ムーラン・ルージュ
 「黄金の心を持った娼婦」という一聴しただけで吐きそうなモチーフを、徹頭徹尾人工的な音楽と美術と演出の力で究極のチック・フリック+キャンプクラシックに仕立て上げたバズ・ラーマン・マジック。


42『8人の女たち
 フランソワ・オゾンの映画は女性に好かれそうなものが多いが、一番元気出るのはたぶんこれ。


43『私の愛情の対象』
 ファグ・ハグ映画の代表作。妊娠したジェニファー・アニストン(ソーシャルワーカー)が、別れたばかりの子供の父親(人権派の貧乏弁護士)・ゲイのルームメイト(学校の先生)・新しい恋人(アフリカ系の駐在さん)のうちどれが父親にふさわしいかについて悩む話。


44『マンハッタン・ラプソディ』
 美女を見るとめまいがするレベルでボンクラなジェフ・ブリッジスを、冴えない女からいきなり自信たっぷりの美人に変身したバーブラ・ストライサンドが襲撃する。ストライサンドの母役でローレン・バコールが出演、年を取っても衰えない美貌とかっこよさを発揮。


45『2ガールズ』
 アフリカンのお金持ちの令嬢と、白人の貧しい不良娘が恋に落ちて逃亡。


46『黒蘭の女』
 思いこみだけで人生を渡っていく南部の令嬢ベティ・デイヴィスが、愛する男を他の女から奪い取ろうと必死に努力、男が疫病にかかると妻をおしのけて看病にいってしまう。


47『セックス・アンド・ザ・シティ』(映画版)
 テレビドラマ版と一緒に見るべき映画。「あたし、あなたのこと愛してるけど、50年間付き合ってきた私のほうを大事にしたいの」と言って若い男と別れるサマンサがかっこいい。


48『ブロンクス・ストリート』(I Like It Like That)
 ヒスパニック系の若い女性が夫の浮気をきっかけに仕事を始め、成功。仕事もバリバリやってすっかり綺麗になった妻を見た元夫はどんどん未練が…


49『ピアノ・レッスン
 女性は世間的に成功していて親切だけど自分の趣味に無理解な男性よりも、世間的にはかなりのダメ男でも自分が大切にしているものに共感を示してくれる男性のほうが好きだ、という一般的傾向に関する映画。同時に、「口がきけないとかいう身体的ハンディキャップがあっても、そんなことで男性との関係において萎縮してはいけない」という映画でもある。


50『フリーダ』
 交通事故でお腹にポールが刺さってしまった経験をもとにものすごい絵を描き続けたメキシコの画家、フリーダの伝記。


51『クジラの島の少女』
 男しかクジラ使いになれないマオリ族の伝統に反抗してクジラと交流しようとする少女の話。現代のマオリ族が置かれた厳しい状況を描いている一方、雰囲気はかなり神話に近い。


52『フォロー・ミー
 大人版『不思議の国のアリス』。ミア・ファーロー対ウサギ男!(…というのはウソです。すごくちゃんとしたラヴストーリー)。


53『素晴らしき休日』(ジョージ・キューカー監督、1938)
 大富豪の令嬢ジュリアと婚約したジョニー(ケーリー・グラント)。ところが、家族からは変わり者扱いされているジュリアの姉のリンダ(キャサリン・ヘップバーン)のほうがずっと面白い人物だった…キューカーの技が良く出ているラヴコメディ。


54『ロミオ+ジュリエット』(バズ・ラーマン監督)
 世界中の女性を魅了したロミオ(レオナルド・ディカプリオ)+世界中の男性に引かれたジュリエット(クレア・デーンズ)という、女性にとって魅惑の共演でお送りするぶっ飛んだシェイクスピア映画。


55『乙女の祈り
 ニュージーランドの女学生2人が愛し合い、邪魔になった母親を殺害。一番びっくりなのは、これが実話でこの犯人である女性が現在名前を変えて推理小説の作家として成功していること。


56『チェイシング・エイミー』
 恋人の過去を受け入れられなかったせいでめったに出会えないようないい女を逃してしまった究極のダメ男に関するラヴコメディ。


57『羊たちの沈黙
 勇敢なFBIの見習い捜査官クラリス(ジョディ・フォスター)が女性の皮を剥ぐ殺人鬼を追う話…というとどうしようもないストーリーだが、そこにまた別の天才的な殺人鬼ハンニバル・レクター(アンソニー・ホプキンズ)がからんでくるので話がややこしくなる。続編『ハンニバル』はつまらんので見なくてよし。


58『天使にラブソングを』&『天使にラブソングを2
 とにかく芸達者なウーピー・ゴールドバーグを主人公にした音楽コメディ。修道院のシスターたちがゴスペル風聖歌隊を結成して、てんやわんやの展開が…


59『マルタのやさしい刺繍
 スイスのばあちゃんたちがとにかく頑張る!


60『嵐が丘』(ローレンス・オリヴィエ&マール・オベロン版)
 ラストシーンはもとはなくて勝手に製作側がつけた。とても評判が悪いらしいが、あの場面がなかったらチック・フリックにはなりえなかっただろう…と思う。


61『モロッコ
 話は結構どうでもいい。男装したマレーネ・ディートリッヒ!それだけである。
  

62『サラ』(1993年のイラン映画)
 気合いの入った『人形の家』のイラン版翻案。現代のムスリム女性を主人公にしても普通に成り立つということは、イプセンのこの戯曲はやっぱりすごい。


63『魔法にかけられて
 ディズニー映画で唯一おすすめできる作品。年食ったお姫様、おとぎの国のイケメンバカ王子、スーザン・サランドンの魔女、そして現代ニューヨークの王子様はパトリック・デンプシーというキャスティングの勝利。 


64『母たちの村』
 アフリカの女性器切除がテーマ。切除を嫌がる女の子達を保護したアフリカの村の肝っ玉おっかあがとにかく頑張る。


65『抱きしめたい』(ロバート・ゼメキス監督)
 ビートルズを見たい!と言ってキャーキャー走り回っている女の子達の大暴走。グルーピー映画の傑作。


66『冬の旅』
 暗い映画だが、サンドリーヌ・ボネール演じるさすらいの乙女はもうほとんど神話。


67『リリィ、はちみつ色の秘密
 養蜂家のクイーン・ラティファが、父から虐待を受けているダコタ・ファニングを保護する。ダコタが虐待父にほだされないラストが素晴らしい。


68『プリティ・ウーマン
 娼婦のジュリア・ロバーツがハゲタカのようなビジネスマン、リチャード・ギアを改心させる話。私はあまり好きじゃないが、「女性は見た目が変身、男性は改心」という現代的なシンデレラ物の嚆矢として実によくできている。


69『ヘアスプレー』(2007年、ミュージカル版)
 デブ差別と女性差別と人種差別を歌って踊ってぶっ飛ばす、とにかく元気の出るミュージカル。


70『アメリカン・ピーチパイ』
 『十二夜』を高校のサッカー部に置き換えたガールパワームービー。アマンダ・バインズの男装がキュート!


71『シベールの日曜日
 イケメンバカ、ではなく戦争で心に傷を負った若者ピエールと、孤独な少女シベールの悲劇の恋。


72『クイック&デッド』
 シャロン・ストーンが寡黙な女ガンマンで、セクハラ男などを倒します。


73『ウーマン・オン・トップ』
 ペネロペ・クルスがシェフを演じるロマンティックコメディ。タイトルは比喩じゃなくて、なんとそのものずばり。


74『罪じゃないわよ』
 ショーガールメイ・ウエストがボクサーと対決する(?)、おおらかなラヴコメディ。とにかく体格が良くて下品で頭が切れるアメリカ女であるメイ・ウエストは、体型は違うけどジュリア・ロバーツとかキャメロン・ディアスの原型…?


75『17歳のカルテ
 女性用精神病院の話。アンジェリーナ・ジョリーがちょっとイカれた女性の役でアカデミー賞受賞。


76『サウンド・オブ・ミュージック
 清く正しいチック・フリック路線がいきつくとこうなる、反戦ミュージカル。


77『バーバレラ』
 究極のキャンプSF。宇宙をまたにかけた女性スパイ、バーバレラが全く無意味に無重力でストリップするオープニングから、バイセクシャルの悪の女王と対決するまで、とにかく頭が溶けそうなくらいフザけた話ばっかり。これを見て面白いと思うストレート男性には心から同情するほかないが、女性だけで見たらたぶんかなり楽しいはず。


78『大砂塵』
 ジョーン・クロフォードの黒シャツ姿のためだけにこの映画はある。


79『唇からナイフ』
 究極のキャンプ映画。回転するヘンな部屋で丸いベッドに寝っ転がって、ボスから「やあモデスティ、今日は中東へ行ってくれたまえ」みたいなことを言われてしまった女賊モデスティ・ブレーズ。実はモデスティは中東のさる王国では王子待遇で(王女ではない)、中東の王様の助けでまあなんかいろいろ…女性向けオースティン・パワーズみたいな映画。


80『Kissingジェシカ』
 ユダヤ系のストレート女性、ジェシカが突然女性と恋に落ちるラヴコメディ。


81『年下のひと』
 ジュリエット・ビノシュジョルジュ・サンド役、すんごく美男子だったブノワ・マジメルがミュッセ役。どうしようもないダメ男なのに詩の才能と容姿はピカ一のミュッセと、子連れでしっかりしたジョルジュ・サンドの関係がやがて泥沼化…


82『紅いコーリャン
 無理矢理病気のじいさんと結婚させられたコン・リーに、結婚式の輿担ぎに雇われた男が恋をする。この男がじいさんを殺して2人は結婚、めでたしめでたし…のはずが、日本軍が攻めてくる!


83『突然炎のごとく
 ジャンヌ・モローが2人の男性を翻弄。


84『白いドレスの女
 男殺しもの。根っからのbitchであるキャスリーン・ターナーが人を殺して逃げおおせる話。私はラヴシーンを見た時笑っちゃったもんであまり好きではないのだが、元気は出る。


85『ジャンヌ 愛と自由の天使/薔薇の十字架』
 ジャック・リヴェットの長い映画。内容はそこまで面白くないのだが、男装したサンドリーヌ・ボネールの颯爽とした様子と、ジャンヌを助けようとする敵方の女性陣の描写が結構リアル。


86『あの頃ペニー・レインと
 グルーピー映画の傑作。男中心のロック社会と、それでもロックを心から愛する女たち。


87『私がウォシャウスキー
 キャスリーン・ターナーフェミニスト探偵として人気のあるウォシャウスキーを演じるミステリ。


88『結婚しない女』
 既に古くなっているところもあるが、現代絵画をそのまんまプレゼントしちゃうヘンな彼氏とかは今見ても結構面白い。


89『マドンナのスーザンを探して
 ロザンナ・アークェットとマドンナの共演。一応、女同士のバディムービーの一種…なのかな。


90『ボーイズ・ドント・クライ
 性同一性障害のブランドンが悲劇にみまわれるまでを描いた映画。陰鬱なので、見るときは注意。


91『アフガン零年
 男の格好をして身を守ろうとするアフガニスタンの少女が最後は強制結婚の犠牲になるという陰惨な話。あまりに悲惨なので見るときは注意。


92『セイブ・ザ・ラスト・ダンス』
 白人でバレエダンサー志望のジュリア・スタイルズが黒人のクラスメイトと恋に落ちる。いい男に人種は全く関係ない!


93『ウェルカム・ドールハウス
 いじめられっ子でダサいドーンの救われない日々を描くオフビートコメディ。ほんと救われないので鑑賞注意。


94『ピアニスト』(ミヒャエル・ハネケ監督、イザベル・ユペール主演)
 現実の男よりも妄想の男のほうがずっとマシかもしれない、というみもふたもない素晴らしい映画。


95『バタフライ・キス』
 マイケル・ウィンターボトムの男殺しもの。私は『アイ・ウォント・ユー』のほうが好きだけど、一般的におすすめできそうなのはこっち。


96『ウェインズ・ワールド』
 ウェインみたいにロックバンドやってるガールフレンドを応援する男性がもっといたらいいのにと思う。


97『ポルノグラフィックな関係』
 タイトルから想像するとたぶん肩すかしを食らう、結構怖い映画。


98『恋のミニスカウェポン』
 エリート女子高生スパイ養成施設、D.E.B.S.が、オーストラリアを壊滅させようとしたこともある悪の天才ルーシー・ダイアモンドがロシアの女殺し屋と会見するという情報をキャッチ。ところがなんとその会見は、ふさぎこんでいるルーシーを心配した悪の組織の部下が仕組んだブラインドデートだった!しかしながら銃撃の最中にルーシーがD.E.B.S.のメンバーであるエイミーに一目惚れしたことから話はどんどんややこしく…
 レズビアンレズビアンによるレズビアンのためのガールパワーバカ映画。


99『紳士は金髪がお好き
 どんなにマリリンがぶっ飛んだことをしても側にいて助けてくれるジェーン・ラッセルは本当に素晴らしい。


100『リキッド・スカイ』
 度はずれて不幸なヒロインの部屋の上に住み着いた超小型UFO。なんとUFOの狙いは人間の性的快楽で、ヒロインの部屋で性行為に及んだ人間は全員抹消されてしまう。それをいいことに孤独なヒロインはイヤな奴を片っ端から連れ込んで誘惑して消してしまい、最後は自分もUFOに「連れて行って!」と懇願する。えらくジェイムズ・ティプトリー・ジュニア風の、どうしようもない内容だけど悲しいB級SF。