Sex Pistols, "Holidays in the Sun"(さらばベルリンの陽)
♪人の不幸でお安い休暇
お日様ホリデーなんていらねえぜ
新ベルゼンに行きたいもんだ
今じゃあお手頃経済があるんだから
ちょっくら歴史を見てきたい♪
さて、一足早めのクリスマス休暇ということでドイツへ。なんと朝二時に起きて三時にナイトバスでヴィクトリア駅へ向かい03:50発のテラヴィジョン空港バスでスタンステッドへ。
…と、思ったところ、なんとバスが雪のせいなのか三十分も遅れて出発。これでは間に合わない!と焦ったものの、なんとかギリギリで到着。空港ゲートまで走り、荷物がデカすぎると言われたもののなんとかその場で全部服を着込んだりしてごまかして乗せてもらい、飛行機の中で寝てベルリンへ。9時すぎにベルリンショーネフェルド空港に到着し、そのまま西ベルリンにあるYuN_1407さん宅に荷物を置かせてもらって観光へ。
この日は日曜日なので、フリーマーケットめぐりを中心に東ドイツな感じのものを見ることに。
まずはボックスハーゲナー広場(以下ボックスハゲと呼称)のフリマへ。
東ドイツな感じ。あやしいタイプライター(シュタージに登録されてそう)とかが驚くほど安い値段で売ってる。ただ、規模は広場をぐるっと取り囲むだけなのでかなり小さい。
噂にきいていた「インビス」のようなもの。安くてうまい。
友人に教えてもらっていた1スクープ0.8ユーロのジェラート屋さん。冬は夏より少ない種類のアイスしか出していないようで友人オススメのチーズケーキフレーバーはなかったのだが、チョコもうまかった。
さて、ボックスハゲを離れてちょっと街歩き。
東ドイツっぽい街角。
この日は雪だったのだが、人のいない貧乏っぽい感じの住宅街にどんどん雪が積もっていて、見た目はなんか旭川にそっくり。そりに子供を乗せて買い物に行く親とかが結構たくさんいるのも北海道みたい。
地下鉄に乗ると…
ドイツの地下鉄にはでっかい犬がたくさん乗っていてすばらしい。私と同じくらい大きいセントバーナードもいた。
さて、シュタージ博物館へ。
現在、修理中のためシュタージのボスの部屋は見れないんだとか。普段はボスの部屋や取調室を公開しており、『善き人のためのソナタ』なんかの撮影にも協力したらしい。
シュタージオフィスの家具。
壁崩壊後にボロボロに壊されたシュタージの入り口の検問ボックス。
取調室の椅子の下にしいた布は瓶に詰めて証拠として保管するそうな。
盗聴グッズ。
壁に耳あり障子に目あり、どころか木にも目が…
あと、なんかすごいお金を払ってカールツァイスに作らせた盗撮カメラとかもあったのだが、全く管理社会っていうのはひどいコストがかかるもんだと思った。全体主義が効率的だとかいうのは絶対ウソだって!こんなにそこらじゅうにカメラやマイクをしかけて、それを管理する人員を雇ったらいくら金と時間がかかることか。シュタージを訓練する費用もかかるし…他人の健康や人権を侵害しないかぎりどんなヘンタイでも過激派でも家では好き勝手という社会のほうが絶対コストがかからんだろう。
さて、シュタージを見た後でマウアーパークのフリーマーケットへ。
とにかくデカいし、すごい人出。
結構品揃えも豊富。ここで5ユーロでファーの帽子を買ったのだが、とにかく何でも安い。
雪の土手で遊んでる子供がいたり、またまた旭川っぽい。
さて、フリマにあまりにも長いこといると嬉しくなって役に立たないもの(電話機とか…)を買いそうなので、早めに切り上げて、和解の教会と壁記録センターへ。
壁記録センター。いつもは展望台にのぼって壁のあとを見られるらしいのだが、この日はなんと雪と凍結で閉鎖。仕方なく中のみ見学。壁ができた頃の写真などを展示している。
さて、この後地下鉄で西のほうへ向かう…のだが、駅にもこんな展示が。
分断の傷跡だなー。
西でまず見たのはホロコースト追悼碑。
夜だと怖いので中までは入らず。
ビジターセンターもあるらしいのだが、なんと冬期は修理により閉鎖だとか。
側になぜかアメリカ大使館があり、その前にホモセクシャル関係の博物館か何かの案内板が。
アメリカ vs 同性愛。
ブランデンブルク門。
さて、この後チェックポイントチャーリー壁博物館へ。ここは昔の壁の検問所で、今は壁に関するさまざまな資料を展示し、ベルリン市内でも最も人気のある博物館になっている。夜なのに観光ツアーがバンバン来てて、大混雑。
中はこんな感じ。
とにかくものすごく文字情報が多い。基本、大きい展示品にはドイツ語・英語・フランス語・ロシア語でパネルの解説がついており、新聞みたいな文字資料の他に写真、フィルム、物品、模型、はたまた東西分断を題材にしたアート作品などをごっそり展示。おそろしく見応えがあるし展示もセンスいいのだが、正直情報量が多いし、一見しただけでぞーっとするような暗い展示品もたくさんあるので、最後のほうはへとへとに…
街に出て中心部のほうへ歩くことに。
ウンテル・デル・リンデンなり。
さて、本日の最後はDDR博物館へ。ここは大変ヴィジュアル資料が多く、東ドイツの生活ぶりがよくわかる。
映画『人生に乾杯!』に出てきたみたいな共産党幹部の車。
ふつうの安い車。
子供のおもちゃ。
東ドイツ名物、ヌーディストビーチ。
…こういうのが博物館にふつうに展示されているのに、ドイツでは『アメリカン・ビューティ』がR指定らしい。文化の差かな。
旧東ドイツのおうち。
パネルによると、東ドイツの女性は産休とかがきちんと保証されていて仕事しやすかったものの、夫は結局あまり家事をしないので家では女性が料理や掃除をしていたそうだ。また、東ドイツは他の社会主義諸国に比べて格段に物流が良く、庶民でもいろいろな品物が手に入ったので生活水準は良かったのだそうな(このへんはオスタルギーがらみで少し大げさに書いてあったりするのかもしれんけど、今でも東ドイツを懐かしがる人がいるってことはやっぱり言論の自由とかはなくても生活自体は悪くなかったのかも)。
さて、東ドイツ生活を堪能したのち、たまたま迷い込んでしまった広場にあったムッター・ホッペというお店でお夕飯。
レバー団子スープ。うまい!
えらく色が悪いが、ザウアーブラーテン。
牛肉の赤ワインビネガー煮込みで、かなり酸っぱいのだがお肉がとろとろに柔らかくなっていてとてもおいしい。左側のクネーデルというのは北海道のいももちにそっくり。懐かしい!ただ、添え物の赤キャベツの甘煮だけはごめんこうむりたいところ。日本人の口にはなかなかあわない付け合わせかと…あと、量がすんごい多い。お肉が三枚、だんごが二個。