金返せ!ジョニー・デップ&アンジェリーナ・ジョリー主演作『ツーリスト』(The Tourist)はほんっとつまらん!!ケミストリ皆無!(ネタバレ注意)

 ジョニー・デップアンジェリーナ・ジョリー主演、フローリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督作『ツーリスト』を見てきた。

 …一言で言うと「金返せ!!」って感じ。ドナースマルクは『善き人のためのソナタ』の監督で、最近初めてこの映画を見て大変よくできていると思ったので前作同様丁寧な描写の積み重ねによるサスペンスを想像して行ったらまあひどいのなんの…こんだけセクシーなスターと有望な監督ときれいな景色とちゃんとした撮影技術(映像は悪くない)が揃っててこんだけつまらん映画を作れるとはある意味感心するわ。

 …ストーリーは細かいことを書くとネタバレになるので(ほんっとつまらんがネタバレするとそのつまらなさがわからないので言わない)書かないが、まあアンジェリーナ・ジョリー扮する謎の女エリーズがジョニー・デップ演じる地味な旅行者フランクをヴェネツィア行きの列車の中で誘惑するっていう話である。しかし脚本がほんとにひどいっていうか…ええっとあまりにつまらなかったのでこの後白字でオチを書くから見たい人は反転してください。

  実はエリーズの夫アレクサンダーはギャングから金を横領した罪で追われてて、妻にも警察にもギャングにもわからん変装姿で神出鬼没の大逃走中。エリーズはしばらく会ってない夫から「ヴェネツィアで会おう。行く途中で男の連れを作り、周りに夫だと勘違いさせろ」という指示を手紙で受ける(フランクがアレクサンダーの変装だと警察が勘違いすれば一時的に操作を攪乱できるから)。エリーズは見知らぬ旅行者フランクを連れとして選んで誘惑するが…(1)なんとエリーズは実は警察の手先だった(2)その上フランクは全身整形したエリーズの夫で、最後までエリーズはそれに気づかなかったのであった。

 っていうオチになるんだよ!なんだよそのご都合主義は!!ふざけんな!『Lovers』じゃないんだぞ!!

 まあジョリーは相変わらずすごくセクシーだしデップも悪くはないのだが、あまり息があってなくてケミストリが全然感じられない。脚本が悪くても主演俳優二人の間にケミストリさえあれば結構見られる作品になると思うのだが、いくらセクシーな役者をそろえてもこれではねぇ…例えば『Mr & Mrsスミス』は、脚本はダメでもアンジーとブラピのケミストリがすごいから見れる作品になったでしょ。思うにブラピよりもデップのほうが役者としては幅が広いと思うし(ブラピは『ファイト・クラブ』みたいにピッタリあう役でないとあまり映えないとこがあると思うけどデップは結構何の役でも形にはなると思う)、セクシーさではひけをとらないと思うのだが、ケミストリっていうのはそういう問題じゃないからな…やはりブランジェリーナ競演作をもっと作ったほうがいいのでは…

 まあとにかく脚本もダメだしケミストリもないし、すごくつまんなかった!