ロイヤルバレエ『白鳥の湖』

 ロイヤルバレエ『白鳥の湖』を見てきた。なんとチケット6ポンド。立ち見。

 『白鳥の湖』は二回しか見たことがないし、そもそもバレエはそんなによく知らないのでまだちゃんと理解できたとはあまり思えないのだが、今回見てこれは童貞崇拝の話なんだなという気がしたな…まだ誰も愛したことがない男性に愛を誓ってもらわねば魔法がとけないってそういうことだよね。あと、オデットは因業じじいに無理矢理妾にされている女性、オディールは因業じじいの不良娘、王子はほとんどアホなんじゃないかっていうくらい純粋な童貞で、因業じじいが策略で王子を騙してオデットを手元に置いておこうとするような話(まるっきり近代ロシア文学だな)に見えたのだが…しかし自分が愛している相手すら見分けられないとは、やはりアホなんだよな…

 まあしかし演出自体は別にそんな生々しくはなく、とくにセットは白中心のとても美しいもので、踊りもよかったように思う。ただオケがちょっと…低音の管楽器は何度か音を外していたように思う。

 あと、最後はオデットと王子がスモークのたかれた中を船で川下りに…という終わり方だったんだけど、あれは死んだの?それともハッピーエンドなのかな?バレエのコード的にはあれはどういう意味なんだろう?
 
おまけ:この公演のテレグラフのバレエ評。批評家の人は映画『ブラック・スワン』があまりお気に召さなかったらしい(うちも!)。テレグラフは政治的には好きではないのだが、バレエ評やオペラ評は素人にもわかりやすいので愛用している(まあ劇評はどこの新聞も当たり外れがあるように思うが)。