ストラットフォード・アポン・エイヴォン最終日、ウォリック城〜これが歴史エンターテイメントだ!

 ストラットフォード・アポン・エイヴォン、中三日は調査と学会できりきりまいだっただが、最終日は時間が余ってしまったのでバスで近くのウォリック城へ。ここは城というよりは歴史テーマパークみたいになっており、建物もすごいし展示も子供向けではあるが結構気合い入ってて歴史ファンにはかなり面白いかと思う。

 お城の外観。中世らしいどっしりしてあまり色気のない建築だが、すごく立派だしよく手入れもしてあって見応えがある。












 砦や塔にのぼって景色を見下ろすこともできる。






 ずっと曇りだったのが難点だが、景色は結構いい。

 お屋敷の内部。アン女王時代以降のものらしいが、非常に立派。










 キングメーカーことウォリック伯リチャード・ネヴィルの展示。




 ネヴィルの生涯だけではなく、15世紀の写字生や刀鍛冶など貴族の暮らしを支えていた技術についてもろう人形とパネルを使って解説してあるあたりが面白い。中世ファンタジーのファンなら大喜びだろうと思う。


 ローズガーデン。





 これは中世の氷室。なんと最大二年も氷を保存できたそうな。仕組みを誰か解説して!


 投石機。


 こちらはプリンセスタワーという子供向けの展示。


 正直、フェミニストで結婚とかに興味ない私にはかなりジェンダー的にきつい内容でこういうのよくないよなーと思ったのだが、上の写真パネルにあるChang Pingというマーシャルアーツを極めた明のお姫様の民話は面白かったな…1609-46ということでイギリスでもちょうど武勇の乙女の芝居が流行っていた頃の人なんですが、この人は漢字で書くとどういう名前になるんだろう?誰か中国史か中国の民話に詳しい人います?

 この他、地下牢の特設展示とマーリンの塔という特設展示がある。前者はお化け屋敷ふうで拷問の模範演技(?)などもあり面白いことは面白いのだが、非常に暗くて道が狭いところを歩くのでお子様やお年寄りには危険な感じ(一応車椅子出入り口はあったが、地下牢とか反バリアフリーの最たるものでその上重要史跡だと勝手に改修できないので車椅子で入るには事前に連絡しないと無理かと思う)。後者はかなり子供向けでちょっと物足りないかも。
 
 
 19世紀末のウォリック伯フランシス・グレヴィルと社交界の美女デイジー・メイナードの結婚式をめぐる展示。



 デイジーエドワード7世の愛人だったり、世紀転換期の社交界を騒がせたスキャンダルのネタだったらしい。社交界の風紀紊乱っぷりや使用人の暮らしなどをパネルで解説しており、大人としてはこれが一番面白かった展示かも。展示されているベッドにはスピーカーが仕込んであって男女の忍び笑いがきこえてきたり、学芸員もやや悪ノリ気味。


 そんなわけでウォリック城はエンターテイメントとして歴史を知るという点においてはとても充実した観光施設だと思う。こういうふうにお城をテーマパーク化するっていうのはうまくやれば非常に魅力的な観光資源になるもんだなぁと感心した。