チェコ四日目(4)クトナー・ホラの鉱山博物館

 聖バルバラ教会を堪能した後、フラーデク鉱山博物館へ。

 クトナー・ホラは中世以来銀鉱として栄えた街なので、鉱山博物館がある。ここは廃鉱になった坑道に入れる。ツアーは一時間半ちょっとで、英語のガイドさんつき(ただしこの日は本職の英語ガイドさんがお休みで、本職じゃないらしいチェコ人のガイドさんがついてた。最後に「ごめんねー英語下手で…」とあやまってた)。

 博物館は展示と坑道見学からなっていて、展示は鉱山で使われた機械の再現とか、あと中世のクトナー・ホラを描いた絵の説明とか。中世の銀鉱を三層(地下の坑道、地上の銀加工場と市場、窓の外のクトナー・ホラ)に描いた絵があったのだが、絵のクトナー・ホラは木とかいっぱいはえてて綺麗なのだが実際は坑道の柱や道具に使うため全部木を切ってしまったのでたぶん見栄えのしない街だっただろうという話だった。あと、鉱夫(女性は地上で銀の加工業務をやってたらしい)の労働条件は今からするとかなり辛そうな感じだったな…

 で、展示解説が終わると白い作業着とヘルメットをつけ、懐中電灯を持って100段以上ある階段を下りて地下深くの坑道へもぐる。階段を降りきった坑道の入り口にライトが設置されているのだが、そこの坑道の石灰の壁にびっしり苔が生えているのに驚いた。ガイドさんが説明してくれたのだが、ライトの明かりと坑道の水だけで光合成して増えたのだそうな。苔は強いな…

 で、坑道の奥ではお約束の「完璧な暗闇」などの体験ができる。全員懐中電灯を消して真っ暗闇を味わうというものなのだが、これアイルランドのニューグレンジやアーウィーの洞窟でもあったな…日本の洞窟とかでもやるのかな。真っ暗闇の後、中世の鉱山労働者がどれくらいの明かりで銀を掘ってたかも再現してくれたのだが、あまりにも弱い明かりでこれで銀が見つかるとはとうてい思えないレベルの光度。なんでも音とかで判別してたらしい(鉱山労働者同士のコミュニケーションも音でやってたとか)。

 坑道の中はそこらじゅう水が吹き出てきてて、靴も服も結構濡れるし滑って危険。降りたのは鉱山の第一層で、その下に第二層があるらしいのだが、下の層はほとんど緑っぽい水で埋まっていてとても神秘的な感じだった。ただ、このへんの水は金属含有量が多くてほとんど飲めないらしい。ガイドさんによると、そのせいでビール醸造所が多いのだとか。

 そんなわけで鉱山にもぐるのは大変楽しかったな…日本って鉱山にもぐれる博物館とかあるの?クトナー・ホラ以外にヨーロッパでもぐれるところはどこなんだろう?