エディンバラ旅日記(20)エディンバラ祭で見た演目一覧

 さて、エディンバラ旅行中はエディンバラ祭だったので当然いっぱい芝居を見たのだが、一応ひとつひとつ並べてみようと思う。

8/10
Dances for Wolves(エディンバラフリンジ、演劇)
 5人のストリッパーが出てくるコメディなのだが、たぶん出てる人はみんな役者で台詞はいいんだけどダンスがあまりできなくて…しかも最初の15分見れなかったのでなんかよくわからなかった。
Skitch Tease(エディンバラフリンジ、コメディショー)
 全裸でアコーディオンを演奏しながら漫談をやるオーストラリアのコメディアン、リズ・スキッチのショー。バーレスクとコメディの組み合わせで、話も気が利いてすごく笑えた。これはオススメ。
 …ちなみにティーンの娘を連れたレズビアンカップルが見に来てて、リズ・スキッチに「変わった趣味ね!」とかからかわれてた。たしかに…


8/11
『オセロー』 (エディンバラフリンジ、演劇)
 Dug Out Theatreというところが上演した『オセロー』。設定は1970年頃のアメリカ軍(たぶんヴェトナム)を思わせるものになっており、兵士たちは迷彩服に身を固めたマッチョだし、デズデモーナもすごくアメリカ娘っぽく、音楽はサイモン&ガーファンクルとかである。
 このプロダクションはとにかくイアーゴー役の人が上手でとても面白かったのだが、せっかくヴェトナムっぽくするならもうちょっと『地獄の黙示録』ふうにイカれた演出にしてもいいかも…と思った。


8/12
Voodoo Review (エディンバラフリンジ、ヴァラエティショー)
 ヴードゥー・ルームズというホテルの近くのパブシアターでやってたショー。いろんなコメディアンやマジシャンが出て五分〜十分くらいの持ち時間でショーをやるというものだったのだがスティーヴ・アルニ&ヘンリー・ザ・グルーヴァーというイカれたパフォーマンスが面白かったな…これは掃除機のヘンリー(イギリスでとても有名な、顔の描かれたヘンリーという掃除機)にラップトップをつないでサックスを演奏させるというギークな感じのパフォーマンスで、お客さんにもウケてた。


8/13
『テンペスト』
(エディンバラインターナショナルフェスティヴァル、演劇)
 韓国版の『テンペスト』翻案なのだが、これはなんかひどい出来だったな…いわゆるインターカルチュラルな上演で、『テンペスト』を5世紀頃の韓国の孤島に置き換えているのだが、翻訳が悪いのかそれとも翻案台本自体が悪いのか、原作の台詞の美しさが全然生かされておらず、ちょっと民族音楽っぽい歌や踊りを入れるとかそういう小手先のトリックみたいなので西洋人のお客に受けようとしている感じで、うちの考える「つまんないインターカルチュラルプロダクション」の典型だった気がする。
 あと、キャリバンがなぜか「頭が二つある怪物」になっており、すごく結合双生児を思わせる描き方で、最後切り離されてめでたしめでたしとかいうのにすごい違和感を抱いた。なんというか…実際に似た症状の病気で困っている人がいるのにそういうのを怪物として描いていいの?ひょっとしたら何か韓国の民話とかを下敷きにしているのかもしれないが、背景知識がない人には不愉快でしかないので、ああいうのはどうにかしたほうがいいんじゃないだろうか。


8/14
『リア王』 (エディンバラインターナショナルフェスティヴァル、演劇)
 これは台湾の役者さんが一人でやる京劇版『リア王』だったのだが、一人芝居ってことでかなり変えてあり、これまた私はあまり面白くなかった。役者はすごい頑張っているのだが、三幕構成で最初はリア王として出てきた役者が三幕では本人として出てくるというもので、なんというか非常に役者の自意識が過剰な感じで苦手だったなぁ…どうせ『リア王』を京劇でやるならもうちょっとハードコアな感じで最初っから最後まで京劇に仕立てたほうがいいと思うのだが。

Kitty Cointreau's BraHaHa (エディンバラフリンジ、ヴァラエティショー)
 カウゲイトという盛り場のパブでやってたショー。コメディショーとバーレスクのアーティストが数組出てきて持ち時間でショーをやるというもの。コメディもだいたい面白かったし、最後のキティ・コアントローバーレスクはとてもきれいで良かった!


8/15
Mary Mary Quite Contrary (エディンバラフリンジ、コメディ)
 アイルランドスタンダップコメディアン、メアリ・バークのショー。面白かったが途中で疲れて一時意識を失ってしまった…

 …なお、実は二日目にWhat the Folkというアイルランドの民俗芸能の出し物を見に行こうと思い、フリンジのチケットカウンターで「What the Folk一枚」と頼んだらうちの発音が悪かったようでWhat the Fockに聞こえたみたいでカウンターの人大笑い。しかもなんとこのショーはキャンセルされたらしい。

 全体的に、フリンジはわりと良かったけどインターナショナルフェスティヴァルのほうがイマイチだったなぁ…でもエディンバラ祭はほんっと楽しいので、ブリテン諸島の住民は是非行くといいと思います!宿がバカ高いのが問題だけど、学生寮とか早めに予約すればなんとかなると思うし。