学生デモ行ってきた

 オキュパイロンドンと合同で実施された学費値上げ反対(+政府の教育白書への批判)デモに行ってきた。参加者は1万人くらいだったのだが(警察発表の2500人というのは少なすぎだろう…だいたい2500人に4000人の警官って…)、事前に警察がウォーターキャノンの使用を許可したとかいう噂が流れて割合不穏な感じ。

 12:00にブルームズベリのロンドン大学総合キャンパス本部前に集合。
 SOAS前。

 この時点で既にロンドン大学本部周辺は厳重警戒。警官多数。


 うちのカレッジの横断幕。


"Access for All"。争点のひとつに、障害のある学生へのサポート減らしや移民・有色人種・労働者階級の子供が進学できなくなることへの危惧がある。


 セクシャルマイノリティの学生団体。

 「高等教育 安らかに眠れ」

 去年よりも断然、左翼的でアグレッシブなプラカードが多いし雰囲気もせっまつぱっている。とくに"Tax the Rich"系のプラカードは増えたと思う。やっぱりオキュパイ・ロンドンの影響で資本主義が教育とか公共分野に介入してくることに対して相当批判的になっている人が多いようだ。カール・マルクスチェ・ゲバラなんかをプラカードに書いている人も増えたし、「階級闘争」とかいうプラカードも見かけた。

 一時近くなってようやくブルームズベリを出発。コールは昨年同様"No ifs, no buts, no education cuts"が主で、あとは"We say fight back"など。

 「ダンブルドアならどうする?」←これは去年も見かけた。このプラカードは自分たちをホグワーツの生徒に見立てており、現政府はホグワーツ校にドロレス・アンブリッジを送り込んで統制しようとした魔法省と同じだという含みがある。こういうのはイギリスならではだと思う。

 え、ギリシャ語?

 警官びっしり。どうも4000人くらい出はってたらしい。

 飛び交うヘリ。

 トラファルガー広場を抜け、ストランド方面へ。

 トラファルガー広場で何人かがオキュパイを始めたらしいのだが、全員逮捕されたとのこと。

 建設中の建物から応援してくれる工事のおじちゃんにいちゃんたち。心強い。

 このあたりで隣のうるさい連中が拡声器を使って"Bourgeois theatre"とか"tourists"を攻撃し始めたのでうざくなって前のほうのもうちょっとピースフルな方面に移動。ほとんどの学生はピースフルな雰囲気だったのだが、誰彼かまわず攻撃する一部の連中、とくにマスクをつけている連中(ガーディアンの記事で触れられてる)は全くアホなんじゃないかと…
 あとこのへんで隣で煙草吸ってたやつが私のコートを焦がしそうになった。デモで歩き煙草とかふざけんな!1万人が押し合いへし合いしてるのに危険だろ! 
 うちのカレッジの前。

 王立裁判所前。引き続き目抜き通りを通過。

 このあたりから一気に警察が増え、雰囲気が険悪に。

 ところが、この後セントポール方面行きのフリートストリート東方面が警察にブロックされた(オキュパイはセントポールでやってる)。しょうがないのでデモ隊は道筋を変更してフェッターレインを北上。このへんまでは街路で見ている人に"Join the Revolution!"などと声をかけたりしてピースフルな感じだったのだが、半分くらい通りを北上したところでデモ隊が警察に止められてしまった。怒ったデモ隊が前進しようと二度ほど小競り合いがあった(うちはいつのまにかフロントラインのほうに押し出されていたので3,2,1…でカウントして突破しようとしてる人たちを結構間近で見た)。行く手を阻む騎馬警官にものを投げつける奴などが多数発生してものすごく険悪な雰囲気に。隣の人は"Fuck the peaceful protest!"などと叫んで警察がひどいと抗議(いやこの時の警察はほんとにひどかった。とくに何も暴力行為はやってないのにあのブロックは挑発同然)。しかしビジネス街で何時間も封鎖は無理と思ったのか、30分くらいでブロックは解除されてホルボーン方面に抜けた。雰囲気は限界態勢で多数のライオットポリスが出動。



 このへんで発砲音がして一瞬みんなが逃げまどったりしたのだが、どうも爆竹だった?らしい。


 ガイ・フォークスのお面が大人気。火薬陰謀事件の犯人としてイギリスでは有名なのだが、『V for Vendetta』で反体制のマークとして使われていたのでオキュパイ関係者に人気がある。11/5(ガイ・フォークス・デー)にはオキュパイロンドンで『V for Vendetta』を上映したらしい。

 もうこのへんでケトリングが始まるかと覚悟したがなんと無事ロンドン市壁方面までデモ隊が到達。


 目的地のムアゲイト方面。警察批判の垂れ幕をかけてくれた住民に皆喝采

 ところがムアゲイトでケトリング(封鎖、デモ隊が外に出られないようにする。去年のケトリングについてはこちら参照)が始まったとの情報が流れ、皆しばらく暇つぶしをすることにする。






 ところが駅方面から出られるらしい!という話になり、行ってみるとムアゲイト地下鉄駅には抜けられることがわかった。
 厳戒態勢のムアゲイト地下鉄駅。ヤバくならないうちに逃げる。


 しかし、帰ったあとでトム・モレロのギグがあったらしい。ええーっ…

 今回のデモは去年みたいな大規模封鎖はなかったのでその点体力的にはキツくなかったが(それでも長時間足止めされたせいでかなり精神的に疲れたけど)、警察の対応は相変わらずひどかった。ツイッターで@Selintellectさんという人が「11/9のデモ隊は暴徒みたいに扱われているけど、今年の夏のロンドン暴動の暴徒が全然警察にコントロールされてなかったことを考えると皮肉ですね」と言っているが、たぶん参加者は皆そう思っていたと思う。去年の荒れたデモの経緯があるので「できるだけピースフルな雰囲気でやれ」というようなメッセージがツイッターやなどで流れていたのに、警察は最初っからやれウォーターキャノンだプラスチック弾だのとデモ隊を暴徒扱い、全く悪いこともしてないのにライオットポリスを繰り出して狭い道にデモ隊を押し込めて挑発するなど、ひどいものだった。