国際スパイ博物館

 本日は図書館で作業したあと、夜間開館しているらしい国際スパイ博物館に。夜間開館で割り増し料金をとられた。

 最初はスパイに関するビデオとかを見せられて展示もなんかチャラい感じでどうなることやらと思ったのだが(ベルリンのシュタージ博物館みたいな暗いものを想像していたのでギャップにちょっとびっくり…やはりアメリカだからか…)、途中からどんどん面白い感じになっていった。
 最初は諜報技術に関する展示があるのだが、ここは盗聴や盗撮の器具に関するものがかなり多く、実際に諜報活動で使われた盗聴・盗撮器具なども展示されている。どうやら子どもを使って器具を運ぶ事例が多いらしく、外交官の子どものおもちゃの隙間に小型の器具が仕込まれて海外に持ち出された事例とか、ソ連の子どもたちがアメリカ大使館に送ったアメリカの記章に盗聴器が仕込まれていた事例とか、なかなかに汚い手を使った事例に関する展示がたくさんある。盗聴・盗撮以外にもスパイが護身に使うものの展示がある。車の展示のところでは、ジェームズ・ボンド映画に特別仕様のアストンマーチンが登場して以来、各国の諜報機関が映画に影響されて(?!)装甲や通信に力を入れた特別仕様車を作るようになったとかいう解説がついていてほんとかと思った。技術コーナーの最後は自殺キットに関する展示(つかまる前に自殺するため、自殺キットみたいなものを持っているらしい)。結構面白いのだが、スパイが使う最新のピッキング技術に関する実演ビデオとかがしれっと放映されていてこんなもん子どもも来る教育機関で放映していいんかと思ってしまった。
 諜報の歴史に関する展示はかなり充実している。異常に忍者押しなのはちょっとどうかと思ったが、孫子とか中国の諜報、古代ローマの諜報などから始まってルネサンスの諜報のところではイタリアのアルベルティやイギリスのウォルシンガム(エリザベス一世のためスコットランド女王メアリの手紙を盗み見していたりしてた)などについて解説パネルをけっこうたくさん展示しており、ルネサンス以前の暗号技術に関する体験コーナーみたいなのもある。やはりアメリカ史の展示は格段に充実しており、アメリカ独立戦争時の英米の情報戦(この頃の諜報に関する資料をかなり持っているようで、当時の貴重な極秘文書の現物も展示されてる)や南北戦争時の諜報活動(女性やアフリカンアメリカンなどもかなりスパイとして活躍したらしい)についての展示がたくさんある。南北戦争のコーナーではバスター・キートンの『ザ・ジェネラル』のダイジェストと元になったアンドルーズの襲撃作戦についての解説が見れるのだが、あの映画は実話に基づいていたんだな…この他、第二次世界大戦や冷戦期の展示もたくさんあり、暗号機エニグマなどが展示されている。
 最後に大衆文化におけるスパイに関する展示があるのだが、ここは古いポスターなどもたくさん見ることができるし、またまたスパイ映画・テレビ番組の歴史を有名どころのダイジェストとして7分くらいにまとめたビデオを上映しており、これもなかなか映画好きには面白い。ちゃんとオースティン・パワーズも入っている…が、解説によるとスパイ映画に出てくるような派手な諜報活動はあまりないとか。
 こんな感じで結構面白いが、夜間割増料金はちょっと高い。火曜日に行くと割引があるらしい。