パラリンピックはじまる、しかし私の頭はイケメンのことでいっぱいだ

 パラリンピックがはじまって、どこの駅にもこの画像版の広告が。

 この広告はカッコいいということで大人気だが、スピード感のある編集といいMeet the Superhumansというコピーといい、どこぞのアメコミ映画の予告編かと思うようなスタイリッシュさである。この広告はパラリンピックがオリンピックの付け足しではなくそれ自体で非常にエキサイティングなスポーツの祭典であることをアピールするために作られたそうで、そういう意味では非常にコンセプトがきっちり通っていると思う。障害があるアスリートをSuperhumansとしてとらえるという逆転の発想は若干問題がある気もするのだが(障害があってアスリートになれるのは生まれつきの素質と経済力とか周りの支援がある人だけでみんながそうというわけではないし、やたらと障害者を特別視する発想もいいとは言えない)、たぶん作ったチームは絶対X-メンとかテレビドラマのヒーローズみたいな遺伝子や超能力のせいで差別・排撃される人々の話(神話といってもいいかもしれん)を意識していると思うので、そういうものをアメリカから輸入してよく見ているような英国人には非常に受け入れやすいだろうし、パラリンピック選手本人たちには好評らしい。まあこういうイベントに出てくるようなアスリートは、スポーツをしない人から見るとオリンピックだろうがパラリンピックだろうがSuperhumansに見えるからな…

 なお、使われている曲はパブリック・エネミーの'Harder Than You Think'。パラリンピックの歌にパブリック・エネミー(「公衆の敵」という意味)というチョイスもなんかすごいが、この広告に使われただけでこのUKチャートを赤丸急上昇した。

 そして本日の本題はイケメンである。この広告の真ん中にいる片足に義足をつけたブロンドの青年に皆様お気づきのことだと思うが、この若者は100メートル(T44、下肢切断クラス)の世界記録を持っているジョニー・ピーコック(記録は10.58秒)。

オスカー・ピストリウスの最大のライバルらしいが、まあ、ブロンドが好きでない私も渋々ながら認めよう、イケメンである(ツイッターアカウントも持っている。こちら)。


 しかしながらジョニー・ピーコックのトラックでのライバルがオスカー・ピストリウスであるとしたら、パラリンピックチームGB公認イケメンになるためのライバルはジョン=アラン・バターワースである。広告ではジョニー・ピーコックの左後ろ側にいるサイクリング選手。

 イラクで腕を失った帰還兵で、なんとHandsome Jon-Allanというあだ名をメディアにつけられている。ミッドランド出身、マンチェスター在住だそうで、けっこうクセのある訛りの英語を話す。正直私の好みではない…のだが、容姿がいいことは認めるし、たぶん広告の途中の爆発映像はこの人の人生を暗示しているのだと思う。
 
 そういうわけでパラリンピックにもイケメンがたくさん出る!