Matthew Dimmock and Andrew Hadfield, ed., Literature and Popular Culture in Early Modern England (Ashgate, 2009)を読んだ。
初期近代イングランドのポピュラーカルチャーに関するいろいろな論文を集めたアンソロジーなのだが、ポピュラーカルチャーとは何なのか、とか基本的な問題を論じたスーザン・ワイズマンの冒頭論文とか、マーシャル・マクルーハンの博士論文(トマス・ナッシュに関するもの)を『エリザベス朝のグロテスク―シェイクスピア劇の土壌』の著者であるニール・ローズが初期近代文化の観点から本気出して論じた論文とか、とくに初期近代文化に興味ない人でも読めるものが結構入っている。文学中心で演劇とか音楽とかに関する論考が少ないのは若干寂しいが、演劇関係はまあ他にも似たような題材で良い本がいっぱい出ているのでいいか…