Tiffany Stern, Documents of Performance in Early Modern England

 Tiffany Stern, Documents of Performance in Early Modern England (Cambridge University Press, 2009)を読んだ。

 これはまあとにかく重要な研究書。英国ルネサンスの戯曲本をチラシ、プロローグ、エピローグ、歌、プロット、場面、台詞などにいろいろ分解し、ひとりの劇作家ではなくものすごく多数の人が関わってできるものとしての英国ルネサンスの台本の姿を明らかにしている。個別の議論についても面白く、芝居自体がどういう演出で上演されていたのかということについてもいろいろ教えてくれるところのある本である。

 まあしかしティファニー・スターンはとにかくエネルギッシュですごいよなぁ…この間も『ハムレット』のバッドクォートについて非常に説得力のある新説を出していたし。