テートブリテン「ラファエル前派:ヴィクトリア朝のアヴァンギャルド」展

 さてさて、テートモダンからテートブリテンまで、初めてテムズ川船のテート線で移動してみた。二つのテート美術館の最寄り桟橋であるサウスバンクピアとミルバンクピアを直通15分でつなぐもの。
 サウスバンクピア。川風さむい。



 川船なんか乗ったの新入生歓迎会の時以来だが、かなり早くて快適だった。まあこのふたつの美術館をはしごする機会ってあまりないかもしれないが、観光で来る方は是非。

 さてさて、本日の最後のお目当ては「ラファエル前派:ヴィクトリア朝のアヴァンギャルド」(Pre-Raphaelites: Victorian Avant-Garde)展。これはテートブリテンバーミンガム美術館というラファエル前派をたぶん世界で一番たくさん持っている美術館二つのお宝総動員+他のところからも協力を得てラファエル前派の大作といわれるものほとんどを展示し、作風の変遷などを浮かびあがらせつつ、ヴィクトリア朝アヴァンギャルドとしてのラファエル前派の位置づけを探ろう、というもの。

 で、とにかく物量がすごい。ラファエル前派の絵で有名なものはたいていこの展覧会に来れば見られるようになっていて、知っている絵ばかりなので単なる傑作選としても楽しめる一方、ニセ中世ふうモチーフやシェイクスピア、イタリアルネサンス文学の利用などどういう素材を翻案していたかとかどういうふうにラファエル前派内でも作風が変わっていったかとかいろいろな関心から見ることもできて飽きない。タイトルからもわかるようにヴィクトリア朝の前衛としてラファエル前派をとらえていることもあり、今では古典的に見えるラファエル前派だが、ヴィクトリア朝ではたぶんさっきテートモダンで見て来たビデオアートみたいにすごいわけわからんものだったんだろうなぁ…とか思えてくる。

 13日まででもう事前に予約しないと無理っぽいのだが、是非是非。