ウェストミンスター議会議事堂見学

 ウェストミンスターで議会議事堂を見学した。

 冬は土曜とかしか見学がないらしいのだが、夏はもっと開催されるらしい。予約は必要。



 内部は最初のホール以外撮影。


 これは議会内のカフェにあった模型。

 内容は一時間くらいで宮殿内を回るというものなのだが、英国議会の基本的な仕組みや歴史、中世から数回の火事などと経て再建された議事堂建築の特徴、政治家の小話まで非常に話題が豊富で、少しでも英国政治に興味ある人ならすごく楽しめる内容だと思う。MPにアポイントメントとる方法まで教えてもらえる。まあ絶対そんな機会はないだろうが…
 
 装飾としては再建・再装飾が行われたヴィクトリア&アルバートの時代の影響が顕著で、ヴィクトリアの図像はいたるところに置かれている。やはり大英帝国の議会なんだなぁ…っていう感じ。

 貴族院庶民院の両方が見学できるのだが、貴族院庶民院ほど議論が「ドラマティック」(ガイドさん談)でないので傍聴者が少ない一方、庶民院は傍聴者もヒートアップしてモノを議員に投げたりする人がいるくらいなので、庶民院では最近、議席と傍聴席の間にガラスの壁が設置されたとか。

 庶民院の議論はまあ非常にドラマティックなのだが、そのぶん面白い小話もたくさん残っている。議場内で他の政治家をウソつき(lier)呼ばわりするとその時点で議員は退場を促されるらしいのだが、かんしゃくもユーモアも人一倍あったチャーチルはこれを避けるため'terminological inexatitude'(「術語的誤謬」とでも言うのかな)という言葉を使って相手を罵ったらしい。チャーチルは非常に英国人には人気あるそうで、議員用ピジョンホール(郵便物ボックスなどが設置されているでっかい部屋)にはやたら議論でヒートアップしているらしいチャーチル銅像がある。この部屋には他にも有名な首相(マギー・サッチャーとか)の銅像があるのだが、みんなどれも首相の個性をよくとらえたポーズで面白かった。

 まあそんなわけでちょっとでも政治史に興味ある方にはとてもオススメ。大陸ヨーロッパふうなスコットランドの議会とはかなり感じが違っていて、いかにも島国独特の伝統に息づいているっていう感じがする。