本気出して情報化の時代の自由について考える〜ローレンス・レッシグ『REMIX ハイブリッド経済で栄える文化と商業のあり方』

 ローレンス・レッシグの本を立て続けに復習して、最後に『REMIX ハイブリッド経済で栄える文化と商業のあり方』(翔泳社、2010)を読んだ。

 レッシグが長らく携わってきた、情報技術と法と自由に関わる論点をおさらい・総合した本で(この後レッシグは政治的腐敗とかの研究プロジェクトを始めたため情報技術については時たま言及する程度になってる)、新しい情報までまめに拾ってアップデートしていることもあり、とりあえずこれ一冊読んでおけばレッシグの主な論点はわかるのではないかという気がした。個々の論点について、とくにファイル共有を罪に問わないことを主張するあたりの議論は少し過激だと思う人もいるらしいのだが、実は私はこれくらい「自由とは何か」についてつきつめて考える議論のほうが情報技術が進歩する時代の自由観としてはふさわしいんじゃないかと思った(ちなみに訳者解説は完全な蛇足だと思う。そんなことは読者に考えさせれば良いだろって感じ)。

 しかし、レッシグのこれ以降の著作は翻訳出るんだろうか?オキュパイやティーパーティなどについての議論も含まれているらしいのだが、法学となるとなかなか他分野の人には手が出しにくいので是非誰かこのへんの政治活動と法とかに詳しい人に訳書出して欲しいのだが…