『グッドフェローズ』って思ったよりまともな人たちだったんですね!!〜『ウルフ・オブ・ウォールストリート』

 マーティン・スコセッシ監督、レオナルド・ディカプリオ主演の『ウルフ・オブ・ウォールストリート』を見た。

 無一文からウォール街のセールストークの帝王にのぼり詰めた実在のブローカー、ジョーダン・ベルフォートの無茶苦茶な半生を描いたものである。とにかく詐欺行為で金を儲けてどんどん会社を大きくし、酒とドラックと買春とその他いろいろな趣味の悪い遊び三昧のパーティ漬けで暮らしていたジョーダンとその仲間達がアメリカ政府に目をつけられ、逮捕され…という過程を描くもの。

 とりあえずこれを見て最初に思ったのは「『グッドフェローズ』って思ったよりまともな人たちだったんですね!!」ということである。『グッドフェローズ』は1990年のスコセッシ監督作で、ギャングの暴力にまみれた暮らしを超スタイリッシュに描いた作品である。これを見た時にいやいやギャングってとんでもねえな…と思ったのだが、はっきり言って『ウルフ・オブ・ウォールストリート』に出てくるブローカーどもに比べればギャングはまだまともな人間に見えてくる。それくらい『ウルフ・オブ・ウォールストリート』に出てくる人たちはなんかもうとんでもない。あまりにもひどいことばっかりしていてそれが全然カッコよくないので、まあ全編笑うしかない超ハイテンションコメディになっている。ジョーダンをはじめストラットン・オークモント社の仲間たちは皆ヤク中で、そのテンションで映画が進行するので、はっきり言って見ていてかなり疲れる。

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音楽の使い方は相変わらずスコセッシらしく素晴らしい。とくにスタンダードな曲のパンク版カヴァーをうまく使っており、レオが暴れる場面で使われてるビーチボーイズの'Sloop John B'のパンク版カヴァー(Me First And The Gimme Gimmesによるもの)とかは、よくこんな使い方思いつくな…と思った。全曲のリストが出てるのでこちらを見た後でチェックするといいかもしれない。