もう少し自由な感じが欲しい〜『はじまりは5つ星ホテルから』(ネタバレあり)

 『はじまりは5つ星ホテルから』を見た。

主人公はローマに住んでいる5つ星ホテル調査員のイレーネ。旅をしてホテルを格付け調査する仕事をしていたが、結婚生活が中年の危機に陥っている妹には結婚も子どもも無くて大丈夫かと心配され、親友である元カレは他の女性を妊娠させて父親になることになっており、孤独を感じることも多く…という話。

 高級ホテルや観光地がふんだんにでてくるあたりはキレイだし、またまた結局イレーネは自由を選ぶ、というオチも悪くはないのだが、なんかもうちょとはじけた自由な感じが欲しかったなぁと思う。中年にさしかかった職業婦人がいきなり孤独を…とか、なんかもう陳腐な話でそんなに面白いとは思えないところがある(どうして中年になった独身の職業婦人は揃いも揃って孤独を感じたり周りに家族を作れとせっつかれたりしないといけないのかね)。あと、途中で出てくるフェミニストの人類学者はとてもいいキャラだったのだが突然死しちゃうし、このあたりもちょっと中途半端な気がする。同じ「中年女性が仕事を選ぶ」話なら、フランスの『大統領の料理人』のほうがずっとプロフェッショナルとしてのこだわりとか仕事のやりがいとかが感じられる作りで良かったなぁ。