ヘリテージ映画・ドラマの世界〜「時代もの映画に見る英国男子像」

 初めて朝日カルチャーセンターに行って、村上リコさんの「時代もの映画に見る英国男子像」レクチャーをきいてきた。

 まずは19世紀の理想の英国男性像(髭がはえてて黒髪でちょっとダークな感じのスポーツマン)について確認したあと、『80日間世界一周』のデイヴィッド・ニーヴン(私、自分が使ってる冷蔵庫にこの人の名前つけてたことある!)からはじまって、80年代以降のヘリテージ映画・ドラマの男性像を紹介するというもの。80年代以降のヘリテージ映画のヒーローはブロンドだったり色白だったり優男だったり、あまり19世紀ふうのダークなタイプじゃないという話があって、それはたしかにそうかも…と思った(これは現代の理想の男性像を反映している)。あと、個人的には『炎のランナー』におけるナショナリズム表現の話が気になる。実は私来年、「オリンピックと文化政策」のパネルやりたいと思ってるので、炎のランナーの話はアリかもしれんと思った。

 全体的にとても面白かったのだが、ひとつだけリクエストをつけるとすると、もっと大きい声で図々しい感じのレクチャーでもいいのではと思った。村上さんは時代考証の専門家で、前に西洋中世学会で原さんの「チェーザレ」の時代考証講演をきいた時も思ったが、時代考証の専門家って学者とか翻訳家とかいろいろいると思うがあまりがっつり話をきける機会があるわけではないので、レクチャーなんかの機会には自信満々でやったほうが生徒も安心してきけるのではなかろうか。

イギリス映画と文化政策――ブレア政権以降のポリティカル・エコノミー
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