ロストックで東ドイツの拘置所遺構を見学

 ハンブルクから鉄道で二時間ほどかけて、北ドイツにあるハンザ同盟都市、ロストックに行ってきた。かなり東欧っぽい街である。

 塔と城壁のあと。

 市庁舎。街の中心部には、東独時代の建物にハンザ同盟都市っぽい古色を接ぎ木したみたいなビミョーな感じの建物がいっぱいある。

 夏らしい噴水。

 この近くに無料で入れる歴史文化博物館がある。けっこう広いが、展示品は正直、あんまり…解説もほとんどドイツ語である。

 聖マリエン教会の天文時計。

 内部は激しく修復中。寄付を募ってた。

 ふしぎな壁画。

 改造トラビ…?

 駅で日本の漫画売ってた。

 茶道…?

 グロティウスのプレート。なんとグロティウスはロストックでお亡くなりになったそうだ。

 ロストック大学。こちらは図書館内。



 図書館内で耳栓が販売されている。

 ドイツで一番うまい学食らしい。しかし、夏休みで閉店中。

 文学部の図書館。東欧時代のお役所オフィスを改装したらしい。

 で、東独の不思議文物であふれかえっているロストックで一番すごかったのはこちら。

 こちらは今はロストック大学になっているところの脇にある、U-haftと言われる東欧時代の拘置所である。出国の希望を出すとかいろいろ政府ににらまれるようなことをしてしまうと、夜の闇に紛れてこういう車がやってきてこの拘置所に連れて来られ、秘密警察に尋問されるらしい。

 見た目はふつうの荷物運搬車みたいな感じなのだが、完全に目張りされているので、乗せられるとどこに連れてこられたのか全くわからないらしい(プロのエージェントとかだったら目隠しされてても振動とかでわかるのかもしれんが…)。もちろんこのU-Haftがどこにあるかというのは一般市民には知らされていない。

 内部はこんな感じ。


 こういう潜水ポッドみたいなものを使って西側に逃げようとした人もいたが、失敗したらしい。これは学生なんかが「ドルフィンプロジェクト」として冷戦時代の逃亡用ポッドを再構成したものだそうだ。

 パネル展示もあるが、全く胃が痛くなるような内容のものばかりだった。何もしていないのにいつ拘留されるかわからない、誰が自分のことをシュタージに告げ口しているかわからない、というのは全く恐ろしい世界だ。人権が守られないというのは、(誰にとっても)いつこういう監獄に閉じ込められるかわからないということである。自由は本当にすばらしい。