もう今年は映画を見ないと思うので、本年のベスト10を。
1. 『ワールズ・エンド/酔っぱらいが世界を救う!』
この映画がサイコーなのは、人間の自由意志という大きなテーマを「近所のパブで酒を飲む」という、身近な生活の平面に引きつけて描いているところである。またまた、酒が全く飲めない人でも「酒を飲むとどんな感じがするのか」ということが手にとるようにわかる描写がなされているという点で、下戸的に高評価だ。
2. 『ベル―ある伯爵令嬢の恋―』
気品のある歴史ものに人種差別とフェミニズムを盛り込んだ、とんがったヘリテージ映画。こんなにゴージャスでかつ面白い女性映画が日本未公開とか信じられない。
3. 『バルフィ 人生に唄えば』
ロマンティックで、かつ腹の底から笑えるインド映画。口のきけないヒーロー、バルフィを演じたランビール・カプールはバスター・キートンのように動き、チャップリンのように恋する。
4.『少女は自転車にのって』
サウジアラビアで10歳の女の子が自転車を手に入れるまでを描く。最後、ひとりで自転車を運転するヒロイン、ワジダの子どもながらに自立したふるまいが心に残る。
売り上げランキング: 48,853
5. 『ラッシュ/プライドと友情』
全くモータースポーツのことは知らないのだが、この映画は『ワールズ・エンド』同様、「知らない観客にもわかるように描写する」というのを徹底しており、役者の表情と編集だけで「ここはワクワクするところ」「ここは不吉に感じるところ」というのがわかるようにしている。
6. 『ダブリンの時計職人』
地味な映画だが、ホームレスになったアイルランドのおじさんが友人の死を乗り越えて再起するまでを丁寧に描いており、心に迫るところがある作品だった。
7. 『チョコレートドーナツ』
アラン・カミング一世一代の名演だった。
8. 『フランク』
顔が見えないのに超イケメンのマイケル・ファスベンダーに衝撃を受けた。
9. 『天才スピヴェット』
科学に夢を感じたことがある人なら面白いはず。
10. 『マレフィセント』
欠点もたくさんある映画だが、とにかく最後にマレフィセントが復讐するのを見るだけで「これだ!」と思える。