超まじめなモンティ・パイソン本〜R. F. Yeager and Toshiyuki Takamiya , ed., The Medieval Python: The Purposive and Provocative Work of Terry Jones

R. F. Yeager and Toshiyuki Takamiya , ed., The Medieval Python: The Purposive and Provocative Work of Terry Jones ( Palgrave Macmillan、2012)を読んだ。

 前に感想を書いたとおり、モンティ・パイソンテリー・ジョーンズはコメディアンとしてだけではなく、Chaucer's Knight: Portrait of a Medieval Mercenaryをはじめとする中世文化の研究でも在野の学者・歴史コミュニケーターとして評価が高い人物である。この本はテリー・ジョーンズの歴史研究・歴史コミュニケーション分野における多面的な業績を批判的に検証かつ顕彰するための論文集だ。マイケル・ペイリンなどの紹介文も入っているが、大部分は本職の中世史や書物史研究者による堅い論文で、素人にはかなり難しいものも含まれている。思ったよりも歴史コミュニケーション分野についての分析は少なく(ないわけじゃないが)、ガチの写本研究とかが多い。