バトンルージュ(2)マグノリア・マウンド・プランテーション

 調査が思ったより早く終わったため、空き時間に少しバトンルージュ観光をした。バトンルージュはあまり観光名所がなく、また車がないとほとんどどこにも移動できないので郊外の観光地には行けなかったのだが、ルイジアナ州立大学の近くにプランテーション遺構があるということで訪問。
 ここはマグノリア・マウンドというプランテーションで、もともとはアイリッシュジョイス家のものだったが、ジョイス夫人コンスタンスが寡婦になってフランス系のアルマンド・デュプランティエと再婚したため、デュプランティエ一家の屋敷となったらしい。

 お屋敷の中もツアーで見せてもらえるのだが、写真は撮れないことになっている。かなり充実したガイドツアーで、19世紀の習慣や当時の家具・調度の特徴、デュプランティエ一族のいろんな逸話(アルマンドが破産したが、19世紀としては非常に目端の利く女性だったコンスタンスがその前に財産を分けておいていたので家族全員破産を免れた、とか)も教えてもらえる。
 藤のあずまや。

 なんと、これは奴隷小屋らしい。二家族くらいが住んでいたそうだ。



 こんなところにたくさんの人が住んでたのかと思うとちょっと驚きだが、ガイドさんはアフリカンの女性で、ルイジアナ特有の奴隷制度についても教えてくれた。ルイジアナ州では奴隷も含めて全ての人が経済活動に参加できたので、奴隷もお金をためて自由を買うことが可能で、また父親が白人農場主であるような子どもは黒人であっても解放されお金をためて裕福になったりする場合があり、そういう場合は黒人でも奴隷を所有していたそうだ。こういう「黒人の奴隷主」の話は、州は違うけどエドワード・P・ジョーンズのThe Known World(2003)にも描かれていたな。

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