ニューオーリンズ(4)テネシー・ウィリアムズ『日曜日は暗くなるまで着替えない』リーディング公演

 三つ目の上演として、テネシー・ウィリアムズの『日曜日は暗くなるまで着替えない』(I Never Get Dressed Till after Dark on Sundays)のリーディング公演を見た。この作品は『古い街』(Vieux Carré)のもとになった作品だそうだが、かなり実験的な短編で(上演時間は1時間足らず)、『日曜日は暗くなるまで着替えない』という芝居の稽古をしている劇団についての作品になっている。この劇中劇のあらすじは、北部出身の零落した令嬢で白血病で死にかけているジェーンと、ストリップクラブの用心棒をしている粗暴な恋人タイの問題だらけの関係を描くものなのだが、外側から演出家と劇作家がそれぞれ土瓶口を挟んでくるのでなかなか稽古が進まない。劇中劇はメロドラマ的だがかなり悲しい話(というか、ひどい話)なのに、外側の枠はもう本公演まで日にちがなく、本格的なリハーサルをしてるのにちっとも芝居が完成していない劇団のドタバタなのでかなり対比がある。リーディング公演だったのだが、話の性質上、本格的な上演で見てみたいと思った。