ニューオーリンズ(6)『トルーマン、テネシーを語る』(Truman Talks Tennessee)

 テネシーまつりの最後の観劇は『トルーマンテネシーを語る』(Truman Talks Tennessee)。トルーマン・カポーティが友人だったテネシーの話を中心に、自分の人生や交友を語るという作品である。ジョエル・ヴィグという役者さんが作った一人芝居なのだが、本当にカポーティそっくりの衣装としゃべり方で出てくる。こういう言い方はよくないのかもしれないが、カポーティを演じられるのはフィリップ・シーモア・ホフマンだけじゃないんだ!と思ってしまった。またまた面白いのは、このカポーティテネシーやその他の人物の話をする時は別の声色を使う。カポーティっぽい高音とテネシーの低音を行き来する演技は見ていて大変刺激的だった。

 ちなみにこの芝居では三島由紀夫がけっこう大きな役(?)で出てくる。カポーティテネシーも日本の作家としては三島がお気に入りだったようなのだが、三島が渡米した時にテネシーや彼氏のフランク・マーロ、カポーティがすごいパーティを開いて、三島がもう日本に帰りたくないと言った話とか、全然知らなかった。このへんはどのくらい事実にもとづいているのか、それともカポーティのフカしがけっこう入っているのか…