専任になって1年、当たり障りのない範囲で驚いたことを書いてみる

 大学の専任教員になって1年がたった。当たり障りのない範囲で、はじめて大学教員になって驚いたこと、困ったことを書いてみようと思う。今年から新任の知人とかもいるので、ハゲまし的な感じで…



1. とにかく会議が多い
 とにかく会議が多くて、非常勤より何倍も忙しい。私は何でもチャットとかでやりとりするほうで対面の会議が苦手である上、不定期にある会議日程とかを全く覚えておけないタイプなので、既に何度か会議を忘れてえらいことになった。手にでも書いておくほか、会議を忘れない方法ないかも…


2. 委員会の仕事や権限がよくわからない
 教員はなんとか委員会とかいうのに必ず入らないといけないのだが、この仕事が最初のうちは何が何だかさっぱりわからない。例えば私は教職委員会に入ることになったのだが、教員免許を持ってないし教育実習もしてないので、教員が教育実習する学生の学校に挨拶に行く訪問指導なんてものがあることは全く知らなかったし(今でも何をするのかあまりよくわかっていなかったりする)、教員免許状更新講習なんて去年初めて名前をきいた。さらに何の委員会が何の権限を持っているとかいうのも最初は全然よくわからないので、このあたりは???であった。


3. 細かいことを体系的に習う機会が無い
 当たり前だが、大学教員は新卒一括採用とかではなく研修とかがないため、体系的に仕事を教えてもらうということがあまり無い。授業や研究は真面目に大学院生をやってりゃだいたいやり方がわかるようになるはずだからいいのだが、大学運営業務みたいなやつは大学院生の時は全く知らないし、さらに基本的に研究者はマネジメント系業務が向いてない人もいたりするのでこのへんは覚えるのに大変時間がかかる。例えば、教授会っていうのは教授しか出ないんだと思っていたのだが(そういう大学もある)、専任講師も必ず出ないといけないとかいうのもしばらく知らなかったし、海外に行く時に届けを出さないといけないとか、図書館に資料を推薦する時はどういう予算区分でいくらまでOKとか、夏休みはいつ仕事があるとか、試験監督にはいろいろきまりがあるとか、そういうことも一度に習うわけではないので最初は何が何だかさっぱりわからず、途方に暮れていた。


4. 毎月決まったお金が入ってくるのは心に余裕をもたらす
 非正規雇用から正規雇用になると、当たり前だが毎月決まった額のお金が入ってきて、これが精神にものすごい安定をもたらす。さらに任期なしの仕事だと就活(これはもう二度とやりたくない。スーツを着て人に挨拶するとか私まったく向いてない)しなくていいので、これだけで精神が落ち着く。就活は精神衛生の敵だと思う。


5. 講義用のスライドを作るのはむちゃくちゃ時間がかかる
 講義科目は毎回パワポを作ることにしていたのだが、一科目ぶん90分のパワポを毎週作るのに最初は一日か二日くらいかかり、それだけで週末がつぶれた。慣れるとまあ一日くらいでできるようになったが、それでも資料を読んだりするのでけっこう時間がかかる。語学のほうは、テストの時だけは採点地獄だがそれ以外はそこまで準備に時間がかかるというわけではない。


6.指導学生は専門外の学生が多い
 小さい大学なのもあって、指導学生は私の専門外の分野(隣接分野だけど)の学生が多い。また、授業でもあまりにも英国ルネサンス演劇ばっかりやってると学生の関心にこたえられないので、バランスよく専門外のものを取り上げるようにしないといけない。


7. 検定試験対策の授業を面白くするのは至難の業
 TOEICとかTOEFLとかの対策授業は、基本的に学生がひとりでやるとつまらなくてサボるような内容を強制的に授業でやるというものなので、たぶん面白くなりようが無いことに気付いた。学生にも教員にもけっこうキツい。これで面白い授業できるのは相当優秀な先生だけなのでは?


8. 教員になるとものすごい数の本が借りられる
 専任だと100冊まで本が借りられる。私は上限いっぱいまで借りてて、それでも足りなくて非常勤先でも50冊くらい借りてる。


9. 組合の入り方がわからない
 今日はじめて組合の会議に行ってきたのだが、去年は新任教員に対する組合加入の案内がなく、全く入り方がわからなかったので、組合に入っているらしい先生にメールをしてそこを通して書類を送ってもらった(それなのに半年くらい加入届が放置されていた)。今日の組合の会議では「若い人に加入してほしい」と言っていたが、この調子では…


10. 私学共済の宿たのしい
 私立大学なので私学共済に入ったのだが、箱根の保養所はとても良かった。前に出版健保に入っていた時も健保の保養所に行ったのだが、そこよりいいかも。