カメラワークに改善の余地あり〜『マシュー・ボーンの白鳥の湖3D』

 新しくなった恵比寿ガーデンシネマに初めて行き、『マシュー・ボーンの白鳥の湖3D』を見てきた。

 既に3回くらい生の舞台で見ているので話なんかはもちろん覚えているのだが、3Dということでどうだろう…と思ったら、やはりバレエみたいな動きが激しく、奥行きのあるところでやるダンスを3Dでっていうのは野心的ではあり、単純にダンサーがこっちに近づいてきてくれるみたいで臨場感があって楽しい。スワン/ストレンジャー役のリチャード・ウィンザー(アップでも引きでもすごくカッコいい)の腹筋がバッキバキに割れており、そこに光る汗が3Dでなんか飛び出しているのを見たりすると、あまり予想してなかったのですごくセクシーだけどちょっとびっくりする。しかしながらカメラワークにかなり改善の余地があると思った。クロースアップの使い方はいいのだが、群舞の端が見切れちゃってイマイチ広がりを感じられないところがあったり、またまたこの手のスクリーニング用舞台撮影の醍醐味のひとつである上からのアングルが少なく、最後の白鳥がヒッチコックの『鳥』よろしく王子とスワンを襲うところ以外ではあまり活用されていなかったのが残念だ。四羽の白鳥の踊りとか、ちょっと上から見たくない?