ストラヴィンスキー、苦手らしい〜アダム・クーパー『兵士の物語』

 東京芸術劇場で『兵士の物語』を見てきた。ストラヴィンスキー作の劇音楽で、バレエに台詞などもついた総合芸術的な作品である。主役の兵士を踊るのはアダム・クーパーだ。あらすじについては上の公式サイトの説明がわかりやすいと思うのだが、いわゆるファウストものにロシア風な味付けを施した、おとぎ話ふうの作品である。なお、上演劇場を間違えて最初数分だけ遅刻してしまった…なんたる不覚…

 アダム・クーパーの踊りはもちろんすごく素敵だったのだが、なんというか完全に個人的趣味だと思うんだけれども、非常に苦手な感じの公演だった。はじめて気付いたのだがどうも私はストラヴィンスキーの音楽が苦手のようで、とくに管楽器の「♪パォ〜ン♪」という野性的な使い方についていけず、なんか変な黄色と灰色が飛散しているみたいな印象を受けた。さらにバレエ慣れしていないせいなのか音楽そのものが苦手なせいなのか、ダンスと音楽がどう合っているのかあまりうまく処理できなくて、どうも居心地が悪かった。ストラヴィンスキー、けっこう人を選ぶな…