内容はいいが、歌詞がちょっと…『RENT』(ネタバレあり)

 シアタークリエで『RENT』を見た。この演目は一度も見たことが無く、できれば舞台を先に見たいと思っていたので映画も未見である。

 『ラ・ボエーム』を原作に、舞台を1990年頃のニューヨークに移し、登場人物もセクシャルマイノリティや民族マイノリティ(ここが日本版の上演だとかなりわかりづらくなってしまうのだが…私、ジョアンはユダヤ系かと思ったんだけどアフリカンなんだって?)にして、HIVやドラッグの問題を絡めた作品である。第一幕は貧しくても明るい若者たちの生活という感じで、『ラ・ボエーム』のロドルフォとミミにあたるロジャーとミミが出会う。第二幕はかなり暗い感じで、主要な登場人物であるエンジェルが死ぬし、ミミも死にかけたりする(ただし死なないので一応ハッピーエンドと言えるだろう)。

 お話じたいは面白いし、楽曲もいいと思ったし、とくに第二幕は良かったのだが、どうも歌詞が気になって最初のほうはなかなか話に入り込めなかった。英語版は脚韻を駆使した歌詞が売りらしいのだが、日本語版だとだいたい日本語、うまく訳せなかったとこだけ英語みたいな感じで全体的にちぐはくな感じがあり、どうも歌にうまくノってなくてぱっとしないと思った(英語で見たかったな…どっかで見られないかな)。

 あと、これは別に面白さを減じるものではないと思うのだが、25年ほど前の時代が舞台ということで、医学の進歩のおかげですごく昔の話に見える。今ではHIV患者でも薬を使ったり養生してわりと長く生きられるようになっているため、この話で描かれている、ばたばたと人々が死んでいく不治の病としてのエイズというのは『ラ・ボエーム』の結核と同じような歴史的な病という位置づけになるんじゃないかと思う。あと、モーリーンのパフォーマンスも「カールスルーエのメディア美術館とかに展示されてそう」と思いながら見ていた。