眠気とのバトルフィールド〜ピーター・ブルック『Battlefield』

 新国立劇場ピーター・ブルック演出の『Battlefield』を見てきた。『マハーバーラタ』を主題にしたものである。

 一言で言うと、全く私の好みにあわない芝居であった。舞台はいわゆるピーター・ブルックっぽいなにもない空間で、赤っぽい照明に4人の役者と舞台上で演奏される音楽があるだけのシンプルなスペースである。話は残虐な戦争の後に王となったユディシュティラを中心とするもので、テーマは反戦的なものである。

 しかしながらなんか私にはなにもなさすぎて単なるお話会のように見える芝居だった。こういう話がききたいんだったら、お説教が上手な和尚様とか牧師様とか庵主様とか神父様のところにでもいったほうが全然いいような気がする。あまりにも好みにあわなすぎて途中で眠気に襲われ、観劇が眠気とのバトルフィールドになってしまった。まあこういう芝居が好きな人がいるのは理解できるが、私向きではない。