イマイチなシェイクスピア〜PAL Produce『十二夜』

 下北沢でPAL Produce『十二夜』を見てきた。かなりイマイチで、あまり良いところもないが最低というわけでもない普通のシェイクスピアだった。

 セットは両側に階段があり、二階にのぼれるシンプルなもの。脇右上に音楽スペースがあり、ハープの生演奏が聴ける(これは良い)。衣装は時代ものっぽい感じである。けっこうカットが多く、サー・トウビーたちがマルヴォーリオをつかまえる場面がカットされているあたりはうまいやり方だと思う。フェステやサー・アンドルーを女性が演じている。

 台詞回しはかなり悲惨で、しょっちゅうつっかえたりど忘れしたりしていて詩的な美しさはあまりない。さらにちょっと台詞を加えたりしているのだがその加え方に全然気が利いておらず、これならもとのままでいいのではと思うところがあった。場面転換の時のダンスは全く要らない(私が今まで芝居を見て経験から体得した法則として、場面の合間とか登場人物の後ろとかで台詞のないダンサーが踊ってる芝居はたいていダメだというのがある)。あと、小道具の矢とかの使い方はちょっと雑ではという気がした。終盤はけっこう台詞がのってきたのか笑えるところも何カ所かあったが、全体的にはたいしたことない『十二夜』だった。