元気いっぱいのスーザン・サランドンがとにかく魅力的~The Meddler(ネタバレあり)

 ローリーン・スカファリア監督作The Meddlerを見た。スーザン・サランドン主演のコメディである。

 夫を亡くし、莫大な財産を相続したマーニー(スーザン・サランドン)は脚本家である娘のロリ(ローズ・バーン)の近くで暮らしたいと、ニュージャージーからロサンゼルスに引っ越す。引退した寡婦でお金には不自由していないマーニーは、暇を持て余し、寂しさもあってロリの面倒をみてやろうと一生懸命だが、仕事と恋愛問題で手一杯のロリは干渉してほしくないと思っている。元気いっぱいのマーニーはだんだんいろいろな人々と親しくなり、レズビアンカップルの結婚式を手伝ったり、近所の青年の夜学の送り迎えをしたり、うっかりハッパでトんでしまったり、手違いで映画に出演したり、退職した警官のジッパー(J・K・シモンズ)とデートしはじめたりするが…

 どうってことない地味な話なのだが、夫を亡くした女性の暮らしぶりをとてもリアルに、かつユーモアとあたたかさをまじえてしめっぽくなく描いており、スーザン・サランドンの軽妙な演技もあいまってたいへん深みのあるさわやかな映画になっている。ベクデル・テストはもちろんパスするし、母と娘のお互いウザかったりすることもあるが心配しあってもいる関係がとてもしっかり描かれている。マーニーとジッパーのなかなか進展しないがオトナな恋愛関係なども良い。最後、今まではマーニーが娘に電話してばかりだったのに、マーニーがすっかり羽を伸ばし始めたせいで心配してロリがマーニーに電話をかけはじめるというオチがいい。