去年は94本映画を見たらしい(家でDVDで見たものは除く)。ということで、ベスト10を。
1.『裸足の季節』
抑圧をはねのける生き生きした子どもたち〜『裸足の季節』(ネタバレあり)
トルコの幼い姉妹が自由を求めて逃走する様子を生き生きと描いた映画だった。子役の演技もいい。
2.『キャロル』
画面の全てが女の心を映す〜『キャロル』(ネタバレあり)
とにかく緻密な恋愛モノ。役者のしゃべり方から身のこなし、服装やインテリア、画面の隅々まで気を配って作った作品。
3.『マダム・メドラー おせっかいは幸せの始まり』
元気いっぱいのスーザン・サランドンがとにかく魅力的~The Meddler(ネタバレあり)
スーザン・サランドン演じる寡婦になった女性がヒロイン。ローズ・バーン演じる娘との交流や、J・K・シモンズ演じる素敵なおじちゃまとの恋愛を描いた爽やかなコメディ。ただこれ、どうもDVDスルーで日本公開されないらしい…
4.『神様メール』
邪神論の神と大地母神の戦いをカワイく描いたゆるふわ神学ファンタジー!〜『神様メール』(ネタバレあり)
信仰を題材にしたファンタジー映画でちょっと説明しがたい内容なのだが、女神様に興味がある人必見。
5.『エクス・マキナ』
青ひげの創造主と自由意志〜『エクス・マキナ』(ネタバレ多数)
スリリングな諷刺SF。俳優陣の演技もいい。
6.『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』
革命的ドジっ子の物語におけるセクシュアリティとトランクの認識論〜『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(ネタバレあり)
下半期に見て一番、個人的に好きだと思えた作品。なんか元気が出た。
7.『スティーブ・ジョブズ』
コンピュータよりは芸術についての映画〜『スティーブ・ジョブズ』
舞台劇みたいな作りでクセがあるが、すごくよくできていたと思う。
8.『団地』
団地は時空の歪みの最前線〜『団地』(ネタバレあり)
今年はいろいろ良い日本映画が出たが、個人的にはこれが一番好きだった。変な映画だし低予算早撮りなのだが、ユーモアの感覚がすごくしっくりくる。藤山直美も最高。
9.『10クローバーフィールド・レーン』
これは女性の不条理な人生についての映画である〜『10クローバーフィールド・レーン』(ネタバレあり)
なんかものすごく不条理な人生についての映画だったと思う。
10.『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』
市民ジンと姫チアルート〜『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(ネタバレ多数)
いろいろアラはあるが、好きにならずにいられなかった。
なお、94本見た中で、ざっと数えた感じだと37本がベクデル・テストをパスする。それ以外に微妙なやつが5本くらいある。
なお、ベスト10とかに入れるような好みの映画ではないが、去年一番、見終わって批評を書きたいと思った映画は『君の名は』だった。
ワーストは『アラビアの女王 愛と宿命の日々』。これは日本公開がこれからだが、ずいぶんひどい出来だった。