中村友紀『パブリック圏としてのイギリス演劇: シェイクスピアの時代の民衆とドラマ』

 中村友紀『パブリック圏としてのイギリス演劇: シェイクスピアの時代の民衆とドラマ』(春風社、2016)を読んだ。

 公共圏における初期近代イングランド演劇の受容に関する著書である。シャリヴァリなどの話題が多いが、とくに面白いのは魔女など時事ネタをとりあげた芝居のジャーナリズム性を分析した第八章だ。この章を読むと、活字文化と口承文化が切り結ぶ芝居というメディアが現在のSNSとかニュースサイトみたいなものにちょっと近い役割を果たしていたのかな…という気がしてくる。私も魔女劇をもっとちゃんと読まないと…