トロント(3)マッケンジー・ハウス

トロントの初代市長で、共和主義者の反乱を起こしたこともあるウィリアム・ライアン・マッケンジーの邸宅が保存されており、ここに行ってきた。


 ガイドツアーで見学できるのだが、いろいろな話を聞けて非常に面白い。マッケンジーは19世紀前半の人としてはけっこう斬新な思想の持ち主で扇動的なジャーナリズムを展開していたため人に恨まれ、一度など持っていた印刷工房をまるごと全部反対派にぶっ壊されたらしい。植民地行政の腐敗に反対する以外にもいろいろなことを主張しており、女性の衣服改革(この頃は年間三千人近い女性が燃えやすいスカートのフープに起因する火事で亡くなっていたらしい)やトロントの衛生の改善などを訴え、家ではアイルランドカトリックの女中さんを雇ってけっこう良い待遇を提供していたらしい(トロントでは反カトリック感情が強かったそうで、アイルランド系を雇いたがる人は少なかったのだそうだ)。解説以外に19世紀のガスランプの使い方実演や印刷機の実演などもある。
 こちらは印刷機の実演をしてくれたブルースさん。役者で学芸員だそうで、すごく話も上手。

 こういうビラみたいな見た目のチラシを自分で刷れる。