ジャーナリスト・社会運動家としてのディケンズ〜ディケンズ博物館"Restless Shadow: Dickens the Campaigner"

 ディケンズ博物館で"Restless Shadow: Dickens the Campaigner"を見てきた。キャンペーンジャーナリストとしてのディケンズの業績に焦点をあてた展示である。

 ディケンズはホームレス問題、子どもの福祉、教育、娼婦になった貧しい女性の救済、クリミア戦争での政府の不手際などさまざまな社会問題に関してジャーナリストとして取材を行っており、小説でこういうことをとりあげるのみならず、定期刊行物でレポートしたり、チャリティのスポンサーと協力して社会運動を展開するなど、いろいろなことをしていた。家庭中心主義や、とにかく「淪落の」女性を助けないといけない、みたいな方針は今からするとちょっと古いところもあるが、そうはいっても親が債務者監獄に入っていたせいでひどい貧困生活を強いられていたディケンズにとっては、家庭から引き離されて施設に収監されるということは凄く真摯な問題だったそうで、毎晩外を歩き回って取材をしてたそうだ。最後に、今でもロンドンにはホームレスの人々がたくさん住んでいるということがヴィクトリア朝との比較パネルで示されている。

 常設展示で家の中ももちろん見学できる。


 キッチン。