今年も終わりなので、2017年の映画ベスト10をやろうと思う。今年は94本しか新作(+映画館の回顧上映)を見られず、100本に達しなかったのが残念だ。
1. 『お嬢さん』
超セクシーでクィアでわくわくするようなサスペンスだった。帝国主義やジェンダー、セクシュアリティの問題を鋭く描いている。唯一の欠点は、日本語話者の日本語の台詞だけはネイティヴスピーカーが吹き替えたほうがよかっただろうということ。
2. 『シング』
舞台が好きで良かったと思える映画。歌もいい。
3. 『T2 トレインスポッティング』
続編映画でこれ以上のものは望めないだろうなと思った。
4. 『人生はシネマティック!』
映画の楽しさ、映画の力をユーモアをこめて描いた作品。
5. 『女神の見えざる手』
ヒロインが仕事をやめようと思うのが、もっと自分の体を大事にしたいと思ったからというのが大変良かった。
6. 『サフラジェット』(『未来を花束に』)
ひどい日本語タイトルをつけられていたが、実力のある役者をそろえた歴史ものになっていた。
7. 『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』
これまでのシリーズを継承しつついろいろひねりを入れているのが良かった。
8. 『娘よ』
強制結婚の問題を訴える社会派作品なのだが、途中からデコトラがパキスタンを疾走するアクション映画になるのが良かった。
9. 『アトミック・ブロンド』
シャーリーズ・セロンがとにかくカッコよかった。
10. 『ラ・ベア マッチョに恋して』
今年見たドキュメンタリーの中では一番の拾いものだった。
ワースト映画…『ザ・ダンサー』
モダンダンスの先駆者ロイ・フラーの伝記ものなのだが、脚本も演出も全然ダメだった(ダンスと演技は良かったけど)。『ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』とは全然違う映画なので要注意(こっちは面白かった)。
演技賞…シャーリーズ・セロン(『アトミック・ブロンド』)とジェシカ・チャステイン(『女神の見えざる手』)
別格…『パターソン』。これはちょっと来年に備えて研究したい。今年見た映画の中では実は一番好きなんだけど、ちょっと来年ジャームッシュの研究発表をしてていろいろ考えないといけないので安易に一位にできない感がある。
ちなみに、今年ベスト10に選んだうち、『T2』『ラ・ベア』はベクデル・テストをパスせず、『シング』が微妙である。