ピム博士は是非、高潮対策を…『アントマン&ワスプ』(ネタバレあり)

 『アントマン&ワスプ』を見てきた。

www.youtube.com

 『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で暴れて自宅軟禁状態になってしまった。スコット(ポール・ラッド)。自身のソコヴィア協定違反の影響で監視対象になってしまったピム父娘とも疎遠になっていた。しかしながらハンク(マイケル・ダグラス)の妻でホープ(エヴァンジェリン・リリー)の母であるジャネット(ミシェル・ファイファー)を助け出すべくピム父娘が活動を開始し、スコットを無理矢理引っ張り込む。2人を助けるため、自宅軟禁という大関門をごまかしつつ活動を再開するスコットだが…

 

 リラックスして見られるとても楽しいアクション映画で、時系列的にはこの映画の後にくるはずの『インフィニティ・ウォー』に比べるとかなり明るい作品だ。主人公のスコットにユーモアがあるというのはもちろん、友人で同僚である元泥棒のルイス(マイケル・ペーニャ)が度外れなくらいお調子者なので、いろいろ笑えるところがある。とくにルイスはとにかく話が長くてしかもその内容が要領を得ないということで、一見バカキャラみたいに見えるところもあるのだが、大変な好人物でいざとなると大活躍してくれるあたり、スコットの親友にふさわしい男だ。

 

 一番面白かったのは、ジャネットがスコットを通して語りかけてくる場面である。スコットが突然、知的で上品な初老の女性みたいな話し方や仕草で愛情をこめてホープやハンクに話しかけ始めるのだが、この場面のポール・ラッドは大変芸達者で笑ったし、また切ないところもあった。ポール・ラッドと『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル』に出てたジャック・ブラックで主演で、見た目は男性、中身は女性であるこの2人が親友として冒険する映画とか作ってほしい。なお、ジャネットの中の人を演じるミシェル・ファイファーはもう60歳だそうだが、美しすぎてうっとりするくらいだ(昔から凄い美人だったが、年をとって灰汁が抜けて、若い頃はたまにしか見せなかった優しい魅力が全開になってさらに美しくなったように思う)。ジャネットとホープの会話でベクデル・テストはパスする。

 

 全く関係ないのだが、台風があった直後にこの映画を見たので、ハンクはテクノロジーを用いて現地で巨大化させた家に住む際、強風とか高潮で倒壊しないよう、安全対策を早急にとるべきだと思った。ネタバレになるが、最後のビーチハウスはかなり立地がヤバいと思う。