東急シアターオーブ、マシュー・ボーン『シンデレラ』

 マシュー・ボーン版『シンデレラ』を見てきた。プロコフィエフの音楽を使いつつ、設定を第二次世界大戦にして、シンデレラと王子さまをロンドン空襲で引き裂かれる男女にしたバージョンである。

 

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 これは2010年の再演をイギリスで見ていて、かなり面白いと思ったのだが、今回も大枠は同じだが少しだけ演出などに変更があったらしい。ダンサー(私が見た回はアシュリー・ショーがシンデレラだった)やの使い方を変えたことに伴うものなのかもしれないが、前回見た時よりも、リアリティよりは夢幻的な雰囲気を醸し出したり、心を揺さぶるような強い感情を表したりするほうに重点を置いて、それを踊りで表現しようとしているような気がする。あと、上演時期の違いも大きいのかもしれず、前回見た時はクリスマスシーズンで、楽しくお祭り気分で劇場を出てきたのだが、今回は終盤の再会場面などがかなり涙を誘うものになっていて、むしろしんみりしてしまった。