瀬戸内の旅(6)ひろしま美術館「ミュシャ展 ―運命の女たち―」展

 ひろしま美術館で「ミュシャ展 ―運命の女たち―」展を見てきた。

 展覧会名から想像するようなファム・ファタル押しの展覧会ではなく、ミュシャの人生で大きな役割を果たした親しい女性たちやモデル、女優などに焦点をあてつつ、ミュシャが描いた女性の絵を紹介するものである。有名どころが多く、既に見たことのあるものもけっこうあったのだが、同時期のミュシャの写真とか、暮らしぶりがわかるような解説パネルなどと一緒に展示されていて、けっこう面白かった。

 ちなみに、見ながら連れ合いと議論したのだが、1860年代に強国の都合に振り回されていたヨーロッパの小国で生まれ、民話と美女と心霊主義にこだわりがあり、晩年ナショナリズムに傾倒して作風が変わり…というのは、言われてみるとウィリアム・バトラー・イェイツとそっくりである。誰か「ミュシャとイェイツ」とかで研究会やれば良いのにと思った。

 わりとグッズが充実しており、「ヒヤシンス姫」の衣装を着たテディなどが売られている。