リアルだがあまり盛り上がらない脱獄劇〜『メイズ 大脱走』(ネタバレあり)

 1983年、北アイルランドIRAの囚人たちが38名脱獄した実話を映画化した『メイズ 大脱走』を見てきた。

 絵も演技もリアル志向で、脱獄ものにしては大変地味である。主人公である実在のIRAメンバー、ラリーを演じるトム・ヴォーン=ローラーと、看守でラリーに親しみを抱くようになるゴードンを演じるバリー・ウォードのリアルな演技は大変良かった。ただ、実話というだけあってかなり地味で、オチは脱獄のプランを立案したラリーが結局脱獄に参加しないというもので、あまり盛り上がらない。こういう映画があってもいいが、まあ脱獄ものとしては非常に控えめな作品だと思う。

 なお、キャストはほとんど男性で、女性同士の会話はほとんどないので、ベクデル・テストはパスしない。