視覚的には凄いが、話が個人的に…『メリー・ポピンズ』

 シアターオーブで『メリー・ポピンズ』を見てきた。
 スーパーナニーのメリー・ポピンズの活躍を描く作品で、映画でおなじみの歌がふんだんに使われており、さらに視覚効果がかなりすごい。メリー・ポピンズが文字通り劇場を飛び回るし、天井でのダンスシーンもある。凝った照明や作り込んだセットなども、見ているだけで楽しい。

 ただ、これは完全に個人的な趣味なのだが、どうも世界観があまりピンとこなかった…メリー・ポピンズはけっこうつんけんした人なのだがとにかくカリスマがあり、次々と不思議なことを起こして人々を幸せにするのだが、自分が行ったことについて一切説明をしないし、身元を保証したり、他人を安心させたりするようなことも全くしない。ものすごい自信と能力に満ち溢れていて、ちょっと超人すぎる。なんだか、一般家庭に突然スティーヴ・ジョブズみたいな人がやって来て、現実歪曲空間を作って人々の認識を変え、イノベーションを起こして去って行くみたいな話だと思った。