かなり好みでなかった~『ラヴズ・レイバーズ・ロスト-恋の骨折り損-』

 シアタークリエで『ラヴズ・レイバーズ・ロスト-恋の骨折り損-』を見てきた。2013年にニューヨークで初演されたミュージカルの日本版である。

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 話は『恋の骨折り損』なのだが、正直かなり好みでなかった…まず、原作では私がわりと気に行っているジャケネッタまわりの話に変更があり、少々真面目になりすぎている。また、いくつか「ここ、歌いる?」みたいに感じられるところがあった。さらに、上演が始まったばかりだからだとは思うのだが、歌の出来ぐあいにばらつきがあり、とくに最初のほうはかなり歌が堅かったと思う。演出についてもちょっと恋愛ものなのか、男同士で大騒ぎするのが楽しいみたいな芝居なのか、一貫性がないように思えるところがあった。アメリカでやった時はものすごくブロマンスっぽい演出だったらしいのだが、その方向に思い切り振ったほうがいいんじゃないかとも思う。

 ただしいいところはあり、男達がお互いの恋心の表明を立ち聞きするくだりは笑えたし、最後にロザラインがビローンにお願いする内容が原作よりもシンプルにしてあったのはよかった。完全につまらないというわけではないのだが、こういう派手なミュージカルにするんならもうちょっと演出などを工夫したほうが…と思うところがけっこうあった。