愉しい作品だが、あのメイクは要るのかねぇ~『天使にラブ・ソングを ~シスター・アクト~』

 東急シアターオーブで『天使にラブ・ソングを ~シスター・アクト~』を見てきた。デロリスは森公美子、カーティスは今卓哉の版だった。既に英語版は一度生で見たことがある。

 ろくでもない男であるカーティスにひっかかってしまい、うだつのあがらない人生を生きていたデロリスが、殺人事件をきっかけに身を隠した修道院で修道女たちに歌を教えることで人から必要とされ、互いに敬愛しあうことの重要性や、女性同士の友愛の素晴らしさを学ぶという愉しい作品である。デロリスを演じている森公美子の存在感がすごく、とにかくパワフルである。警官のエディが高校時代からデロリスに夢中だったのも納得だ。

 ただ、やはりちょっと気になったのがいわゆるメイクである。昔ながらのブラックフェイスに比べるとだいぶ控えめで自然にはなっているのだが、アフリカ系アメリカ人を演じている役者たちは浅黒いメイクをしている。この作品は人種差別が重要な要素ではあるのだが、森公美子くらい「他の人と違う」感のある役者なら、メイクなどは要らないと思う。