『ひつじのショーン UFOフィーバー！』を見てきた。言わずと知れた『ひつじのショーン』シリーズの映画で、アードマンのクレイアニメ新作である。
ショーンたちが暮らしている牧場の近くにあるモッシンガムに宇宙船がやってきて大騒ぎになり、牧場主はUFOテーマパークを作って儲けようとする。テーマパーク準備を担当させられた犬のビッツァーが苦労している一方、ショーンは宇宙船でやってきたエイリアンの子供(ルーラという名前らしい)に遭遇。ルーラが家に帰れるよう、ショーンはいろいろと協力をするが…
ルーラはけっこう古典的な宇宙人っぽい姿形をしているのだが、一方でイヌとか小動物に似た要素も取り入れられており、大変かわいらしいクレイアニメの造形になっている。宇宙のロマンなんかゼロで、とにかくこのチャンスに儲けようとする牧場主はまあいつもどおりの頼りなさ、仕事を押しつけられるビッツァーはいつもどおりの気の毒さである。ショーンとルーラの冒険はワクワクするような愛らしいタッチで描かれているし、一見悪役風だった女性エージェントの苦闘が感動的な結末を迎えるオチは大変後味が良く、ちょっと諷刺的な笑いとホロリとするところのバランスが良い映画だ。ところどころに『未知との遭遇』など古典的なSF映画のパロディがあるのも良い。
ただ、日本語のタイトルはちょっとセンスが古すぎるのではないかと思う。今時フィーバーってあるかな…原題はFarmageddonで、Farm(農場)＋Armageddon(アルマゲドン)なのだが、これは牧場主が作る安っぽいテーマパークの名前で、こっちのほうがいかにもいい加減な感じも含めてセンスがいいと思う。
