画質はあまりよくないが、歌は良かった~メトロポリタンオペラ『ラ・ボエーム』(配信)

 メトロポリタンオペラの配信『ラ・ボエーム』を見た。1977年にメトロポリタンオペラでテレビでライヴ中継されたものらしい。

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 音楽は大変よく、ルチアーノ・パヴァロッティのロドルフォとレナータ・スコットのミミの息があっており、どちらも表現力豊かで迫力ある歌を聴かせてくれる。2人ともわりと生活感のある質素なカップルに作ってあるのも効果的だ。歌はゴージャスなのだが着ているものとかがけっこうくたびれた感じで、そこが嫌な感じのギャップにならずにむしろリアリティを醸し出している。

 セットは全体的にオーソドックスで、奇をてらわない正統派である。最後のミミが死ぬところでは窓のあるだだっ広い屋根裏にベッドがぽんと置いてあって、ミミがわびしく死んでいく様子が強調されている。大きな窓から光が入ってくる設定なのだが、その窓枠が格子型に部屋に影を投げかけていてちょっと不吉である。

 

 ただ、やはり古い映像なのであまり画質は良くない。とくに黒っぽい衣装を着ている人や舞台奥にいる人はほとんどつぶれて見えなくなっているところがある。あと、たまに音が不均等?に聞こえるところがあり、これは生中継のマイク調整の問題なのかなと思った。