予定調和的な展開だが、とても楽しい作品~『チア・アップ!』

 『チア・アップ!』を見てきた。

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 ヒロインはガンになり、終活を終えてジョージア州サン・スプリングスの高齢者コミュニティに移り住んできたマーサ(ダイアン・キートン)である。最初はあまりコミュニティに馴染めず、病気のせいでやる気が出ないマーサだが、最初は疎ましく思っていた隣人でお節介焼きのシェリル(ジャッキー・ウィーヴァー)と話すうちに、高校生の時に実現寸前まで行って結局果たせなかったチアリーダーになる夢が再燃する。シェリルとともにオリーヴ(パム・グリア)やアリス(リー・パールマン)たちを仲間にして8名のチアリーディングチームを結成するが、コミュニティのリーダー格であるヴィッキー(セリア・ウェストン)から嫌がらせを受ける。

 Rotten Tomatoesで36%とかいう低評価なのだが、全然そんなにひどい内容ではなく、予定調和的なコメディで別にひねりはないが十分楽しい映画である(25歳以上の女性観客は81%がこの映画をポジティヴに評価しているそうで、確実に女性受けはする作品だ)。やたら閉鎖的で決まりの多い高齢者コミュニティの描き方はどれくらいリアルなのかわからないが、ゲーテッドコミュニティが多いアメリカならありそうかも…という気がした(全くの推測なので、このへん詳しい人にレビューしてほしい)。おばちゃまたちが若いチアリーダーのクロエ(アリーシャ・ボー)と組むとかいう世代間交流があるのもいいし、マーサがおばちゃまたちの自信を引き出すためにやや70年代っぽいフェミニストワークショップをやったりするあたりもちょっと面白い。

 なお、ひとつ気付いたのだが、この映画にはロッキーモンタージュがない。よく考えると、こういう中年以上の人(多くは素人)が集まってスポーツや芸術を練習するみたいな映画はスポ根風味でもロッキーモンタージュがないことが多いように思う。これはたぶん中年以上だと劇的にうまくなるという描写にあまりリアリティがないからでは…という気がした。たぶん、技術的向上よりもおばちゃまおじちゃまの精神的成長にフォーカスしたほうが無難にまとめられる。